ドラマ・映画『木更津キャッツアイ』シリーズ ザ・クドカンワールド全開の青春劇

テレビドラマ

青春ドラマといえば、中学生・高校生、あるいは大学生の友情や恋を描いた作品を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

そうした作品がこの世に数多くある中で、私の中では「青春ドラマといえばこれ!」という作品のひとつが『木更津キャッツアイ』シリーズです。

余命半年と宣告された21歳の青年と、普通に生きたい、という彼の願いを叶え、共に馬鹿騒ぎに興じたりと寄り添ってくれた仲間たちの物語を今回は紹介したいと思います。


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『木更津キャッツアイ』シリーズ概要

『木更津キャッツアイ』シリーズ基本情報

『木更津キャッツアイ』シリーズは2002年にTBS系列にて放送されたテレビドラマが放送され、その後2003年に『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』、2006年に『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』の2本の続編映画が公開されている作品です。

脚本は宮藤官九郎氏が担当し、主要の登場人物である「木更津キャッツアイ」メンバーを岡田准一さんや櫻井翔さん、岡田義徳さん、佐藤隆太さん、塚本高史さんが演じた他、

山口智充さんや阿部サダヲさん、酒井若菜さんに小日向文世さん、薬師丸ひろ子さんなそうそうたる俳優陣たちがこれでもか、と出演されています。

『木更津キャッツアイ』シリーズあらすじ

テレビドラマ『木更津キャッツアイ』

木更津第二高校出身の元高校球児・田渕公平こと”ぶっさん”(たぶちこうへい/岡田准一さん)は、父の公助が経営する理容店「バーバータブチ」を手伝いながら、

「木更津キャッツ」というチームで草野球を楽しむ日々を過ごしていました。

そんなある日、公平は末期ガンにより、自分の余命が長くてもあと半年の命であると宣告されてしまいます。

そこで、死ぬまでの数ヶ月間、悔いが残らないように好き放題生きたいと考えた彼は、怪盗団「キャッツアイ」を結成し、リーダーに就任するのでした。

そして、その「キャッツアイ」には中込フトシこと”バンビ”(なかごみふとし/櫻井翔さん)、佐々木兆こと”アニ”(ささききざし/塚本高史さん)、岡林シンゴこと”マスター”(おかばやししんご/佐藤隆太さん)、内山はじめこと”うっちー”(うちやまはじめ/岡田義徳さん)も参加。

「普通に過ごしたい」ぶっさんとともに、馬鹿騒ぎをしながら過ごしていくことになります。

なお、このドラマは野球のように表と裏があり、裏の回で表の伏線を回収するという面白い構造になっています。

映画『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』

21歳という若さで余命宣告をされた田渕公平ことぶっさん。

死の淵から蘇って(ドラマ版ラストで)半年後の夏、彼は相変わらず仲間たちと共に野球とビールに明け暮れる日々を送っていましたが、

地元木更津で氣志團がロックフェスティバルを開催することを知り、木更津キャッツアイメンバーもぶっさんが作詞作曲したラブソングを新曲にひっさげて参加することが決定します。

そんな折、突然みんなの前に死んだはずのオジー(古田新太さん)が現われ、キャッツたちは大騒ぎ。オジーの復活とロックフェスティバルで町中が盛り上がってきた頃、

伝説の赤い橋をともに渡ったことでぶっさんには新しい恋が芽生え始めたりと、キャッツ全員に予想できなかった波瀾万丈の展開を迎えることになります。

映画『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』

田渕公平ことぶっさんがこの世を去って3年。

木更津市役所職員となったバンビ以外は木更津を去り、キャッツアイメンバーはそれぞれ違う道を歩んでいました。

そんなある日、バンビは物産の声を聞き、久々にアニやマスターに会いに行きます。

そして、ぶっさんらしき声の指示を頼りに3人はあるものを完成させるのですが、その”あるもの”は大爆発。

ぶっさん復活に期待をかけた3人ですが、なんとそこに登場したのは自衛隊の訓練所から脱走してきたうっちーとゾンビ軍団。

さらにはうっちーを追って、彼の教官である杉本文子(すぎもとあやこ/栗山千明)も登場。

なぜかうっちーの他にもバンビ・アニ・マスターら全員が自衛隊に入隊することを条件とした野球対決が行われることになります。

うっちー以外の3人は落胆しながらグラウンドの整備を行なっていると、そこにはなぜか復活しているぶっさんとオジーの姿が。

3年前、ぶっさんにちゃんと「ばいばい」が言えない後悔を抱えたままバラバラになってしまったキャッツアイの残された4人。彼らは果たして今度こそ、きちんと「ばいばい」できるのか?

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『木更津キャッツアイ』のレビュー・感想

『池袋ウエストゲートパーク』をリアルタイムで視聴していなかった私にとっては、宮藤官九郎さんとの出会いの作品がこの『木更津キャッツアイ』にあたるのですが、

同時に、『木更津キャッツアイ』は私にとって全シリーズをリアルタイムですべて視聴した数少ない作品にもなりました。

主人公のぶっさんが病による余命宣告を受けつつも、終始そのことにフォーカスして作品全体がウエットな雰囲気に包まれることがなかったことが、その最大の理由の一つなのかな、とも感じています。

このドラマが放送された年代を考えると「純愛系作品ブーム」が到来していたので、純愛ブーム疲れと言いますか、新鮮にも感じたのかもしれません。

私は女性なので男性同士の友情の何たるかというのは実感としてピンとは来ないのですが、

21歳という若さで余命宣告されながら「普通に生きたい」と願ったぶっさんと、時に喧嘩しながら、共に「ビール!ビール!」と掛け声を掛け合いながらマスターのお店でビールをかっくらい、けして褒められた行為ではないことも行いつつ(笑)馬鹿騒ぎをする日々。

映画でも、きちんとお別れができなかったことを後悔したり、その悔いを晴らしたりと、ウルッと来ながらも、ああ面白かった、と笑顔で観終わることができる、そんな作品なのではないかと思います。

余談ですが、このドラマとは全く関係なく(のはず)すっかりビール党に育ってしまった私。

未だに居酒屋などでビールを頼む時、脳内にキャッツのメンバーが「ビール!ビール!」と駆けていく姿が浮かんでしまいます。

岡田准一さんが事務所の後輩である櫻井翔さんを特別に可愛がっているエピソードや「バンビ」「ぶっさん」と互いが呼び合う姿が10年以上経ってもテレビなどで見かけられたり、

塚本高史さんと佐藤隆太さんがこの作品を機に公私共に仲良くなったりと、共演者同士の関係性も深まった作品でもあるので、

楽しそうな彼らの姿がずっと自分の中にも残っているのかもしれませんね。

『木更津キャッツアイ』まとめ

というわけで、ドラマ&映画『木更津キャッツアイ』を紹介してきました。

ちなみに、日本シリーズとワールドシリーズについては、今年の9月11日に初のBlu-ray版が発売されるとのこと。

それぞれ2004年と2007年に発売されたDVDに収録されていた特典映像がすべて復刻され、

日本シリーズの方には「ただいま特訓中」ディレクターズカット版や「FUJIみ ROCK FESTIVAL完全再現」など170分以上、

ワールドシリーズの方にはドキュメントをはじめと、「5人の思い出インタビュー」「キャッツ・ストラックアウト!」「幻の映画化告知スポット」といった190分超の映像が収められるようです。

映画版のBlu-ray発売前にドラマ版を観て待っているのもよし、発売後にすべて見直すのもよしですね!

よかったらぜひこの機会に観てみてくださいね。


この記事を書いた人:藤代あかり(@akari_fujishiro)