横須賀散策記録 世界三大記念艦「三笠」編

お出かけスポット

ちょっと遠出がしたいな。
とはいっても、泊まりがけとかそこまでの距離ではなくて、でも、普段の生活圏内からは離れたところ……

ふとそんなことを考えていた頃、ナイスなタイミングで「横須賀に行かない?」と誘われまして。

横浜に住んでいたこともあり、しかも出身が鎌倉市なので、その辺りには馴染みはあったものの、
そういえば同じ神奈川県でも横須賀って行ったことなかったんですね。

というわけで、江戸時代末期に黒船が現れた開国の地であり、開港から軍港まで、歴史と文化を感じることのできる横須賀について、全3回に分けて紹介していきたいと思います。

そして、第1回目となる今回は、現存する日本最古の軍艦が見られる、
世界三大記念艦「三笠」
をピックアップしていきたいと思います。

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世界三大記念艦「三笠」基本情報

住所


〒238-0003
横須賀市稲岡町82-19

アクセス

電車で行く場合は、
・京急線横須賀中央駅下車、徒歩15分又は三笠循環バスで「三笠公園」バス停下車
・JR横須賀駅から横須賀中央駅方面行きバス「衣笠駅行」「長井行」「三崎口行」他(約10分)「大滝町」バス停下車、徒歩7分

車で行く場合は、
横浜横須賀道路の横須賀インターチェンジから本町山中道路の終点、国道16号線の三笠公園入り口を左折

車が42台停まることのできる駐車場も併設されています。
料金は1時間まで410円。
1時間を超えて2時間まで410円に210円/30分加算
2時間を超えた場合は830円
2時間を超えた時間1時間までごとに100円加算
となります。

営業時間/定休日

営業時間は時期によって変動します。
4月~9月 9:00~17:30
3月・10月 9:00~17:00
11月~2月 9:00~16:30

定休日は年末の4日間(12月28、29、30、31日)です。

料金について


観覧料金は
大人:600円
高校生:300円
小・中学生:無料
障がい者:200円(介護者2人まで)
とかなりリーズナブルな設定になっています。

また、有料で観覧する方が20名以上いる団体の場合、以下の団体割引価格が適用されます。
大人:500円
高校生:200円
小・中学生:無料

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「三笠」の歴史

「三笠」は明治35年(1902年)にイギリスで建造されました。

そして、1904年に開戦した日露戦争において、連合艦隊の旗艦として大活躍しています。

特に日清・日露戦争での勝利に大きく貢献し、当時の日本の国際的な地位を「五大国」の一員にまで引き上げた人物である、東郷平八郎司令長官が乗艦していたことから、

この辺りの時代の歴史、東郷平八郎司令長官について詳しい方は「三笠」の名前にも覚えがあるのではないでしょうか。

そんな「三笠」の活躍は特に明治38年(1905年)の日本海海戦で、ヨーロッパのバルト海から派遣されたロシアのバルチック艦隊を対馬沖で待ち構え、集中砲火を浴びながら勇敢に戦い勝利を収めているという点が挙げられますが、

この「バルチック艦隊」という名称、実は正式なものではありません。

まず、ロシアもしくは旧ソビエト時代にバルト海に展開していた「バルト艦隊」「バルト海艦隊」という艦隊があり、

日露戦争の時代においては、特に極東の太平洋艦隊を増援するためにバルト海に所属している艦隊から戦力を引き抜いて新たに編成した「第二・第三太平洋艦隊」のことを指す場合が多いようです。

上記のことから、日露戦争時のいわゆる「バルチック艦隊」は比較的急ごしらえな隊であったことがわかります。

とはいえ、当時最新鋭の戦艦4隻を含む巨大な艦隊が3隻を残してほぼ海の藻屑と消えたのに対し、

日本軍側は駆逐艦1隻が大破、水雷艇数隻沈没で、主力艦は中破すらほとんど無し、ほぼ無傷、という状態。

ここまではっきりとした勝敗がつく戦いは世界的にも珍しく、各国の軍事研究で広く注目を集める海戦でもあります。

そんな風に大活躍した「三笠」は大正12年(1923年)に一度現役を退いています。

そして、大正15年(1926年)に横須賀に記念艦として保存されたのですが、

第二次世界大戦後の占領軍が統治する時代に、占領軍の命によって、一度大砲やマスト、艦橋などが撤去されてしまいました。

ですがその後、「三笠」を元の姿に戻そうという声が高まったことで、多くの人々からの募金やアメリカ海軍の支援が集まり、その結果、昭和36年(1961年)に「三笠」は現在の姿に復元されました。

日本では、明治以降に数多くの軍艦を建造されてきましたが、現存している軍艦は「三笠」のみとなります。

また、それゆえに日本遺産の構成文化財に指定されています。

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「三笠」の見どころ

「三笠」の設備・装備・特徴


鋼鉄製の船体を持つ「三笠」は、全長が132メートル、幅が23メートルあり、乗員は860名。

排水量は15,140トン。
(船の排水量は、船を浮かべた際に押しのけられる水の重さを表し、概ね船の重量に相当します)

速力は18ノットとなっています。
(1ノットは約1.85km/hであるため、18ノットは約33.34km/hとなります)

そして、「三笠」に搭載されている大砲は以下のものとなります。

主砲:30cm砲4門
副砲:15cm砲14門
8cm砲:20門
45cm魚雷発射管:4門搭載
引用元:https://www.cocoyoko.net/spot/mikasa.html

30cm主砲の砲塔は、射程距離約1万メートルを誇り、実際に弾を発射すると、対岸の房総半島まで届きます。

また、艦首飾についてですが「三笠」の艦首から直線を引くと皇居に至る、という特徴があります。

「三笠」の見どころ

艦内にはいたるところに展示室が用意されています。

また、艦内では、各種展示をより深く楽しめるように「三笠紹介ビデオ」が繰り返し上映されている他、

日露戦争・大平洋戦争ならびに海上自衛隊の艦船模型260隻以上が展示されている、『「三笠」秘蔵連合艦隊コレクション』という常設展が開催されていたり、

旧海軍の制服・装備や、日露戦争にまつわる数々の展示品を始め、東郷連合艦隊司令長官の公室や参謀長室、艦長室といった各種執務室の当時の姿が復元されています。

また、甲板に出て指揮塔を上ると、日本海海戦の最中、東郷平八郎司令長官が5時間に渡って立ち続けたといわれる位置に、彼の足跡が印として残されています。

世界三大記念艦「三笠」まとめ

東京駅から電車で2時間かからずにたどり着ける場所に、世界三大記念艦「三笠」は位置しています。

日本の近代史、戦艦・軍艦に興味がある方のほか、

また、周辺にある「水と光と音」をテーマとした三笠公園は、音楽に合わせて舞う噴水、ダイナミックな壁泉、高さ18メートルを誇るモニュメントなど、海に沿って散策するだけでも十分に楽しめる横須賀市の代表的な公園です。

また、三笠公園は東京湾内では唯一の無人島である猿島を望むことができる絶景スポットでもあります。

都会の喧騒から離れて、少しのんびりした時間を過ごしてみたいな、という方にもオススメのスポットなので、ぜひ天気のいい日に足を運んでみてくださいね。

この記事を書いた人:藤代あかり(@akari_fujishiro)