たまに、理由はよくわからないけれど無性に観返したくなる映画ってありませんか?
理屈よりも勢い、完成度よりも熱量が先に立っていて、観終わると妙に元気だけが残るような作品。
『少林サッカー』は、まさにそんな一本です。
公開から時間が経っても色あせない独特のテンポと、どこか真顔で突き抜けていく感じ。
今回はそんな『少林サッカー』の魅力について紹介していきたいと思います。
映画『少林サッカー』概要
『少林サッカー』は2001年(日本では2002年)2公開された、チャウ・シンチー(周星馳)氏が監督・主演をつとめる香港の映画。
あらすじは以下の通り。
かつてサッカーのスター選手として活躍しながらも、チームメイトが仕掛けた罠にはまり引退を余儀なくされたファン。ある日、少林拳の達人である不思議な青年シンと出会った彼は、シンの並外れた脚力に目をつけ、サッカーチームをつくることを提案する。シンはかつて少林寺で共に修行した仲間たちを集め、前代未聞の「少林チーム」を結成。ハイテクトレーニングと筋肉増強剤で強化された宿敵デビルチームを相手に、壮絶な戦いを繰り広げる。
少林サッカー:作品情報・キャスト・あらすじ|映画.com
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映画『少林サッカー』のレビュー・感想
『少林サッカー』はひとことで言うなら「全力でバカをやりながら、ちゃんと胸を打ってくる映画」です。
久しぶりに観返しても、「こんなに振り切っていいんだ……!」という清々しさがありました。
少林拳×サッカーという時点で、設定はもう意味がわからない。
でも観ているうちに、その“意味のわからなさ”がどんどん快感に変わっていくんですよね。
ありえない身体能力、物理法則を無視した必殺シュート、スローモーションとCGの大渋滞。
ツッコミどころしかないのに、なぜか全部「まあ、少林だしな」で納得させられてしまう強引さがすごい。
そして、この映画がただのギャグ映画で終わらないのがいいところ。
笑わせに来ているのに、いつの間にか「才能を信じてもらえなかった人たちの話」や「誇りを取り戻す物語」になっている。
社会の片隅に追いやられていた人たちが、再び自分の居場所を見つけていく流れは、ベタだけどやっぱり強いんですよね。
個人的に好きなのは、登場人物たちが最初から自信満々じゃないところ。
むしろ過去に挫折して、夢を諦めかけている人ばかりで、そのダメダメ感があるからこそ、後半のはじけっぷりがより気持ちいい。
急に空を飛び始めても、「まあ、この人たちならやるか」と思わせてくれる説得力(?)があります。
ヒロイン役のヴィッキー・チャオさんの存在も印象的で、決して派手ではないけれど、このカオスな世界観の中でちゃんと“人間味”を保ってくれているのがいいバランス。
ラブ要素も控えめで、あくまで物語のスパイス程度なのも好印象でした。
何より『少林サッカー』は、観終わったあとに変な元気をもらえる映画です。
深く考えなくていいし、理屈もいらない。ただ「全力で信じて、全力でやったら、こんなことになりました!」というエネルギーに身を委ねるだけで楽しいんです。
落ち込んでいるときや、頭を空っぽにしたい夜にぴったりの一本。
笑って、ちょっと熱くなって、「まあ、人生も案外なんとかなるかもな」と思わせてくれる。そんな愛すべきバカ映画(最大級の褒め言葉)でした。
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映画『少林サッカー』まとめ
というわけで、映画『少林サッカー』を紹介してきました。
ちなみに映画『少林サッカー』ですが、Amazonプライム会員はプライム・ビデオで鑑賞することができます。
よかったらぜひこの機会に観てみてください。
この記事を書いた人:藤代あかり(@akarifujishiro)


