映画『予告犯』 罪を憎んで人を憎まずと犯人への同情・共感の境目

映画

映画であったり、ドラマや舞台、あるいはアニメであったり、

「この役者さんが出演しているから」

というのは、作品鑑賞のひとつの大きな理由になる、という人もそれなりにいるんじゃないでしょうか。

私の中にも、この役者さんの作品はとりあえず観てみたい、という動機を生む俳優さんや声優さんが何人かいて、そのうちの1人が生田斗真さんだったりします。

というわけで今回は、そんな生田斗真さんが主演されている映画『予告犯』について紹介したいと思います。

映画『予告犯』概要

映画『予告犯』は筒井哲也氏による同盟タイトルの漫画を原作として、2015年に公開された日本の映画。

あらすじは以下の通り。

事件は唐突に始まった。Tシャツ姿に新聞紙の頭巾を被り、ネット上に現れた“シンブンシ”と名乗る「彼」は、法では裁かれず、見過ごされがちな罪を犯した者たちを暴露。そして「彼」なりの制裁を加えていく。集団食中毒を起こした食品加工会社に対し、「食い物の扱いも知らないこいつらに、俺がきっちり火を通してやる」と予告。すると食品加工会社で火災が発生した。ネット犯罪を取り締まる、警視庁サイバー犯罪対策課の捜査官・吉野絵里香は、この謎の予告犯=“シンブンシ”の捜査に乗り出す。捜査を続ける吉野はシンブンシが単独犯ではなく、複数犯であることに気付く。それでも「彼ら」は吉野をあざ笑うかのように、予告と制裁を繰り返していく。
引用元:予告犯 || TOHOシネマズ

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映画『予告犯』のレビュー・感想

冒頭でも触れた通り、この映画に関しては主演が生田斗真さん、ということで観ました。役者としての彼が結構好きなんですよね。

映画の内容に関しては、最初は思想犯とか、それこそ『JOKER』のようないわゆる“無敵の人”の話なのかなとも思っていたのですが全然そんなことはなく。

むしろ”無敵の人”ほど振り切れすぎておらず、どこか普通の人の人間味のようなものが感じられたからこそ、窪田正孝さんがやった役の人のような協力したくなってきてしまう人も出てきたのかな、と感じるなどしました。

そう思うと、生田斗真さん演じる主人公が辿った末路が切ないといいますか、物悲しくも映ります。

なんとなく、生田斗真さんがやはり主演していたドラマ『ウロボロス〜この愛こそ、正義。』のラストを思い出したのは私だけですかね。

反面、戸田恵梨香さんの演じていた刑事には全く感情移入ができなかったですね。

自身も貧困家庭という、犯人たちにも通じる社会的弱者の側で育ちながら、ここまで犯人たちに共感を寄せられないのはなぜなのか、と結構終盤まで思わされた節があります。

環境や逆境などを乗り越えて来たからこそ今の自分がある、その努力を「がんばりすぎなくてもよかったんだ」と認めることはできない、といった思いもあるのかな、と感じるところではあるのですが、

映画の作りなのか、もともとのストーリー的なものなのか、生田斗真さん演じる主人公の

『頑張れるほど幸せだったんですよ』

という言葉の方が腑に落ちた、と感じた人も一定数いたんじゃないでしょうか。

もちろん予告犯が行なっているのは犯罪行為には違いないので、犯人に過度に同情を寄せるのは刑事として賢明でないというのも一理あるかもしれません。

それでもある種犯人たちに対して救いのようなものを求めるのは、これがあくまでフィクションの作品だから、というのもあるのかもしれません。

そんな感じでやや消化不良感の残る作品ではありますが、面白い映画ではあったと思います。

原作自体は未読なので、こちらもいつか読んでみたいところです。

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映画『予告犯』まとめ

というわけで、映画『予告犯』を紹介してきました。

ちなみに『予告犯』ですが、Amazonプライム会員はプライム・ビデオで鑑賞することができます。

よかったらぜひこの機会に観てみてください。

この記事を書いた人:藤代あかり(@akarifujishiro)