恋愛映画と聞いて思い浮かべる、わかりやすい盛り上がりや劇的な展開。
映画『潔く柔く』は、そうしたイメージとは少し違う場所にある作品です。
この映画が描こうとしているのは、声高に語られる感情ではなく、言葉にしきれないまま胸の奥に残り続ける想い。
その静けさや距離感が、観る前からどこか気になってしまうタイトルでもあります。
今回は、そんな『潔く柔く』が持つ空気感や、観終わったあとに残る感触について、ゆっくり振り返っていきたいと思います。
映画『潔く柔く』概要
映画『潔く柔く』はいくえみ綾さんの同盟漫画を原作として2013年に公開された日本の映画です。
あらすじは以下の通り。
高校1年生の花火大会の夜、カンナはクラスメイトから告白されるが、同じ頃、大切な幼なじみのハルタが、カンナの携帯にメッセージを残したまま交通事故に遭い、他界してしまう。そのことが原因で恋ができなくなったまま社会人になったカンナは、出版社で働く青年・赤沢禄と知り合う。無遠慮で悩みなどないように見える禄が、自分と同じように心に大きな傷を持っていることを知ったカンナは、次第に禄にひかれていく。
引用元:潔く柔く きよくやわく:作品情報・キャスト・あらすじ
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映画『潔く柔く』のレビュー・感想
『潔く柔く』は、いわゆる「泣かせにくる恋愛映画」とは少し違って、もっと静かで、もっと個人的な痛みに寄り添う作品だと感じました。
観ていてまず印象に残るのは、登場人物たちの感情がとても抑えられていること。
大きな出来事や派手な演出が前に出るわけではなく、過去の出来事が心の奥に沈殿していて、それが日常のふとした瞬間に滲み出てくる。そんな描かれ方が続きます。
その分、観る側も「これは自分の話かもしれない」と、知らないうちに引き寄せられてしまうんですよね。
この作品の核にあるのは、恋愛そのものというよりも、「失ってしまったものをどう抱えたまま生きていくか」という問いだと思います。
人を想う気持ちは丁寧に描かれているものの、それは過去の傷を一瞬ですべて消し去ってくれるようなものではなく、むしろ新しい関係に踏み出すこと自体が怖い、という感情が丁寧に描かれている。
だからこそ、幻想に寄りかかりすぎず、地に足のついた感覚が強く残った点が印象に残りました。
タイトルの「潔く柔く」という言葉も、観終わると少し違った意味に感じられます。
清らかで、やさしくあることは、決して弱さではない。
でも同時に、それを保つにはかなりの覚悟や強さが必要なんだ、というメッセージが静かに伝わってくるようでした。
全体を通して、観終わったあとに大きなカタルシスがあるタイプの映画ではありません。
ただ、過去の後悔や、言葉にできなかった気持ちを思い出して、しばらく余韻に浸ってしまう。そんな静かな余白が残る作品です。
恋愛映画が好きな人はもちろんですが、「もう一歩前に進みたいけど、まだ少し怖い」と感じている時に観ると、心の奥にそっと触れてくる一本だと思います。
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映画『潔く柔く』まとめ
というわけで、映画『潔く柔く』を紹介してきました。
ちなみに映画『潔く柔く』ですが、Amazonプライム会員はレンタルですがプライム・ビデオで鑑賞することができます。
よかったらぜひこの機会に観てみてください。
この記事を書いた人:藤代あかり(@akarifujishiro)


