映画『脳男』 正義とは何か?をダークに描く

映画

「正義とは何か?」――この問いは現実世界でも、フィクション作品の中でも触れることの多い問の一つではないでしょうか。

絶対的な正義など存在しないと考える人もいれば、悪を許さないことこそ正義だと信じる人もいると思いますが、あなたなら「正義とは何か?」という問いにどう答えますか?

映画『脳男』は、そんな曖昧で揺らぎやすい「正義」の在り方を鋭く問いかける作品です。

観終えたとき、自分の中にどんな答えが残るのか――ぜひ確かめてみてください。

映画『脳男』概要

映画『脳男』は、首藤瓜於氏の同名小説を原作とした2013年公開の日本のサスペンス映画。PG12指定。主人公の鈴木一郎を生田斗真さんが演じています。

あらすじは以下の通り。

都内近郊で無差別連続爆破事件が発生、人々を恐怖に陥れていた。そんな中、爆弾魔・緑川のアジトを急襲した茶屋刑事は、緑川を捕り逃すも、共犯者と見られる男を逮捕する。取り調べでは鈴木一郎と名乗る以外、なにも供述しようとはせず、精神科医・鷲谷真梨子による精神鑑定が行われることに。真梨子は感情を一切表に出さない男に興味を抱き、その過去を調べ始めるが…。
引用元:映画 脳男(2013) – allcinema

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映画『脳男』のレビュー・感想

本作の最大の見どころはやっぱり主人公の生田斗真さんの演技なのではないでしょうか。

彼が演じる”脳男”は感情を一切持たず常に冷静沈着で、まるでマシーンのように殺人を繰り返していくわけですが、その静かな佇まいの中に、時折見え隠れする「かすかな揺らぎ」が観る者に強烈な印象を残してくれます。

特に、ラストに向かうにつれ、彼の中に変化が生まれる様子や、最終的に彼が下した決断には、単なる「感情のない殺人マシーン」として片付けられないものがある点がかなり見応えがあると言えるでしょう。

また、二階堂ふみさんが演じる緑川紀子の狂気に満ちた爆弾魔としてのありようは、脳男の冷徹さとはまた異なる「悪の在り方」を示してくれて、強烈な存在感を放っています。

ただ、個人的には能男の過去と向き合いながら彼の中の「人間らしさ」を引き出そうとする松雪泰子さんが演じる精神科医・鷲谷真梨子と、

彼女の精神科医としての今を作り上げたとも言える、染谷将太さん演じる志村昭文との因縁と鷲谷の葛藤、そしてそんな彼女と彼が迎えた結末がすごく印象的なでもありました。

作品全体に、法では裁けない悪をどうするべきか?正義とは何か?脳男のように悪を悪として処理したり、法や倫理では裁けない悪に対して個人が裁きを下す(いわゆる私刑)は許されるべきか?というテーマをずっと問いかけられる映画なのですが、

それを御涙頂戴やご都合主義的に無理やりハッピーエンドにしたりといったことはなく、全体的に色彩を抑え、無機質な雰囲気の中で描いていて、刺さる人には刺さる一本なのではないかと思います。

余談ですが、この作品で鈴木一郎を演じるにあたり生田斗真さんが役作りのために取り組んだことは、後のドラマ『ウロボロス〜この愛こそ、正義。』にも影響を与えたということをウロボロスの方でエピソードとして明かしているんですよね。

こちらのドラマでも法や倫理では裁けない悪に対して個人が裁きを下す(いわゆる私刑)は許されるべきか?というテーマが根底にあるため、脳男がハマった方はぜひウロボロスの方も観てみて欲しいと思います。

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映画『脳男』まとめ

というわけで、映画『脳男』を紹介してきました。

ちなみに映画『脳男』ですが、Amazonプライム会員はプライム・ビデオで鑑賞することができます。

よかったらぜひこの機会に観てみてください。

この記事を書いた人:藤代あかり(@akarifujishiro)