映画『ホワイトアウト』 雪と沈黙が支配する極限の舞台が生む緊張感

映画

雪に覆われた場所が舞台の映画って、それだけで少し緊張感がありますよね。

寒そうとか、逃げ場なさそうとか、観る前から胃のあたりがきゅっとする感じ。

映画『ホワイトアウト』も、まさにそんな一本。

派手な説明がなくても、「これは気を抜いちゃいけないぞ」という空気がじわじわ伝わってきます。

今回はそんな映画『ホワイトアウト』を紹介していきたいと思います。

映画『ホワイトアウト』概要

映画『ホワイトアウト』は真保裕一氏の同名小説を原作とした、2000年に公開された日本の映画です。

主演は織田裕二氏。
あらすじは以下のとおりです。

日本最大の貯水量を誇る新潟県奥遠和ダムが白銀に覆われた2月。新潟県警に突然「奥遠和発電所およびダムを占拠した」という無線が入った。テログループ“赤い月”はダムの職員を人質に取り50億円を要求、24時間以内に要求が達成されない場合ダムを爆破すると通告する。ダムが決壊すれば下流域の20万世帯が激流に飲まれることに。一方、テロリストの見張りを逃れたダムの運転員・富樫は、猛吹雪と豪雪で閉ざされた外部との連絡手段を探っていた。

引用元:ホワイトアウト(2000):作品情報・キャスト・あらすじ|映画.com

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映画『ホワイトアウト』のレビュー・感想

『ホワイトアウト』は設定を聞いただけでだいぶ落ち着かない作品と言えるかもしれません。

厳冬期のダム、吹雪で視界ゼロ、外部との連絡もままならない。

はい、もう絶対に何か起きるやつです。
安心できる要素が一つもありません。

でもこの映画、いわゆるド派手サスペンスというより、「静かに、確実に、逃げ場を削ってくる」タイプなんですよね。

観ているうちに、寒さと緊張感がじわじわ体に染みてくる感じです。

ちなみに本作の主演は織田裕二さんなんですが、ご本人としてはあまりいい気がしないかもしれませんが、彼はどうしても『踊る大捜査線』の青島刑事のイメージが強いんですよね。

そう感じる人、私以外にもたくさんいると思うんですが、この作品では、その軽快さや勢いはかなり抑えめ。

「事件は会議室で起きてるんじゃない!」と叫ぶ余裕なんて一切なくて、判断を一つ間違えたら終わり、という状況に放り込まれています。

それでも完全なヒーローではなく、迷い、追い詰められ、感情も揺れる。

青島のように周囲を巻き込みながら突破していくタイプではなく、孤独と責任を一身に背負わされていく姿が印象的でした。

完璧じゃないからこそ、「この状況で正解出すの無理では?」と共感してしまうところもあります。

原作は、真保裕一さんの同名小説。

読んだことがある人ならわかると思うんですが、
この人の作品、とにかく状況設定がエグい

逃げ場のない場所に人を閉じ込めて、「はい、どうする?」と突きつけてくるのが本当にうまいな、と感じました。

映画版も、その原作の持ち味である
「極限状態での判断の重さ」
「誰かが必ず何かを背負うことになる空気感」

がしっかり活かされています。

犯人探しそのものよりも、「ここで何を選ぶのか」を見せる物語、という印象です。

終盤に向かうにつれて、展開は一気に加速。

吹雪の白さが、ただの天候じゃなくて、登場人物たちの視界や思考そのものを奪っていく感じがして、なかなかにしんどい。

でも、そのしんどさがクセになるんですよね。

派手さは控えめだけど、緊張感はずっと高め。

観終わったあと、「寒かった……」って思わず口に出るタイプの映画です。

青島刑事のイメージを一度横に置いて観ると、織田裕二さんという俳優の別の顔がしっかり見えてくる一本とも言えるかもしれません。

骨太なサスペンスが好きな人や、原作小説が好きな人なら、今観ても十分楽しめると思います。

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映画『ホワイトアウト』まとめ

というわけで、映画『ホワイトアウト』を紹介してきました。

よかったらぜひこの機会に観てみてください。

この記事を書いた人:藤代あかり(@akarifujishiro)