“彼の人の香り”をひそかに楽しむ方法について考える

企画

このブログでは度々、「3000文字チャレンジ」という、その週に出されるお題に沿って、3000文字以上の記事を書こう!という企画への参加記事を投稿しています。

その「3000文字チャレンジ」ですが、中の人ことなかのさん(@nakano3000)から先日、スピンオフ企画の発表がありました。

題して「さんぜん文字チャレンジ」
元の企画から「3000文字」という字数の制限を撤廃した内容となっています。

詳しいルールはこちらから↓

ということで、せっかくなので今回は過去の「3000文字チャレンジ」のお題の中から、どうしても字数の壁が越えられなかったためにお蔵入りしようかと思っていた「フレグランス」で参加しようと思います。

[sponsered link]


「フレグランス」というお題を目にした時、真っ先にWikipediaの「香水」の項目を見に行ったことを覚えています。

Wikipedia先生のお言葉を借りると、厳密にいうと「フレグランス」は香水や石鹸のをはじめとした、身体に心地よい香りを付けるために使われる化粧品の類、そんな化粧品・洗剤・室内香料といった、食品以外に使用される香料のことを指すらしいので、何も「香水」に限る必要はなかったんですが、まぁパッと浮かんだのが「香水」だったのでしょう。

で、「香水」のページを見ながら、その歴史的背景であったり豆知識であったりを何らかの形でまとめてみようかなと思ったんですが、ふと気になる一文が目に留まりまして。

「香水は付けた人間の体臭と混ざり合って香りを演出する」

上記の一文が指し示すのは、香水の液体そのものの香りは、誰かが身に付けてしまったら、うかがい知ることはできない、ということのようでした。

それは、肌の酸性度(pH:ペーパー)や水分量や皮脂量、皮膚を構成しているアミノ酸の違いにより、時間が経つにつれて香水が揮発していく中で、飛ばされる香料・残される香料が人それぞれ異なるからだというのです。

全く同じ香水を10人がつければ、その香りは十人十様だということですね。

そして、このことを知ってふと考えたのです。

「もしもその人の肌の構成を忠実に作ることができたら、”その人がAという香水をつけた時の香り”というものが再現できるのではないか?」

私は理系科目が一切ダメだった典型的文系人間ということもあって、科学的に実現可能なのかどうかはよくわからないのですが。

“その人の香り”+香水の匂いをすべて液体状のまま保持するのはなんとなく難しそうだな、と漠然と感じるので、”その人の香り”の部分は固形物として作成するのが自然なように思います。

香料やミツロウから作られている固形の香水・練り香水という形での実現も考えたのですが、

こちらはアルコールが使用されていないので香りが広がりにくいというメリットがある反面、

“その人の香りを楽しむ”ということを考えると、香水が揮発していく中で変化していく香りというのは楽しめないので、なんとなく今回の話の趣旨に合わないような気がしたので候補からは除外します。

で、”その人の香り”を再現できる、肌の酸性度(pH:ペーパー)や水分量や皮脂量、皮膚を構成しているアミノ酸を忠実に再現したものに対し、任意の香水を吹きかけると、

“彼の人の香り”が再現できる、と。

まぁ酸性度とか水分量とか皮脂量とか、皮膚を構成するアミノ酸とかどうやって測定するんだろうとか、

仮に測定できて、忠実にその状態を再現できる技術があったとして、倫理的な面とか法律面とかでそれが許されるのだろうか、とか、

そもそも人の肌質や体臭も加齢によって変化していくので、すべてをクリアして再現できたとして、「○○歳の頃のあの人の香り」といった形になっちゃうのかな、とか、

いろんな疑問などが尽きないのですし、一歩踏み外すとちょっとホラーチックな感じになりかねないかな、と考えなくもないですが(笑)

それはいつかの恋であったり、憧れの芸能人であったり、”彼の人の香り”をひっそりと楽しむことができたら。

なんていうことが実現する未来が来ることも、可能性としてはゼロとは言い切れないよね、と、そんなことをなんとなく想像してみたのでした。

余談ですが、私自身は特段匂いフェチというわけではありません。

この記事を書いた人:藤代あかり(@akari_fujishiro)