映画『秘密』 「もしも」を考えさせられる静かな名作

映画

「もし、ある日突然、大切な人との関係が“これまで通り”ではいられなくなったら――。」

1999年公開の映画『秘密』は、そんな想像をふと頭に浮かべさせる、不思議な余韻を持った作品です。

派手な展開や分かりやすい感動を前面に出すタイプの映画ではなく、静かなトーンのまま、観る側の感情にそっと入り込んでくるのが特徴。

観終わったあとに「どう感じた?」と誰かと話したくなるし、でも言葉にするのが少し難しい。そんな映画でもあります。

今回は、この『秘密』という作品が持つ空気感や、観ていて心に残ったポイントを中心に紹介していきたいと思います。

映画『秘密』概要

映画『秘密』は東野圭吾さんの同名小説を原作として1999年に公開された日本の映画です。

あらすじは以下の通り。

妻と娘に囲まれ満ち足りた杉田平介(小林薫)の生活は突然終わりを告げた。妻・直子(岸本加世子)と娘・藻奈美(広末涼子)が乗ったスキーバスが崖から転落したのだ。病院に運ばれた妻は息を引き取り、一方の娘は一命を取りとめる。しかし、意識が戻った娘の人格は、妻となっていた。そこから、平介と藻奈美(直子)の奇妙な夫婦生活が始まるが…。外見上は独身の平介には、言い寄る女性が現れたりするが、妻の手前、浮気も再婚もしない(出来ない)。二度目の青春を謳歌する藻奈美(直子)に対して疎外感に悩まされる平介。お互いの想いがすれ違う二人…。そして運命は思いがけない結末へと進む。
引用元:映画「秘密」|映画|TBSチャンネル – TBS

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映画『秘密』のレビュー・感想

『秘密』は、観終わったあとに「これは簡単に感想を書いちゃいけないやつだな……」と、しばらく言葉を探してしまうタイプの作品でした。

設定自体はとても強烈で、もしあらすじだけを聞いたら、もっとセンセーショナルで感情を煽る方向にも振れそうなんですが、この映画はそこをかなり静かに、慎重に描いていきます。

だからこそ、観ている側は派手な盛り上がりよりも、じわじわとした違和感や切なさを抱えたまま、物語の中に引き込まれていくんですよね。

特に印象的なのは、「愛している」という気持ちが、そのまま正しさにはならないところ。

大切に思うからこそ苦しくなるし、守ろうとする行為が、誰かを縛ってしまうこともある。

『秘密』は、そのどうしようもない矛盾を、とても誠実に見せてきます。

広末涼子さんの演技も、この作品を語るうえで外せません。

無邪気さと戸惑い、大人びた表情と幼さが同居していて、「いま、この瞬間を生きている人間」に見えるんです。

演技が前に出すぎず、でも確実に物語の軸になっている感じがありました。

一方で、小林薫さん演じる父親の存在も重く、観ていて何度も胸が詰まります。

彼の選択は理解できなくもない。でも全面的に肯定もできない。

その宙ぶらりんな感情を、観客に押しつけず、そのまま差し出してくるのがこの映画の怖さであり、優しさでもあると思いました。

全体を通して派手な演出は控えめで、音楽やカメラワークも感情を過剰に盛り上げることはしません。

その分、「もし自分だったらどうするだろう」と考える余白が、ずっと残り続けます。

『秘密』は、観ている間に答えをくれる映画ではなくて、観終わったあとに問いを残す映画。

家族、愛情、自己犠牲、そのどれもが絡み合って、きれいな形には収まらない。

だからこそ、時間が経ってからふと思い出してしまうし、人生の段階によって受け取り方が変わりそうな作品だな、と感じました。

しんどさはあるけれど、静かに心に残る一本です。

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映画『秘密』まとめ

というわけで、映画『秘密』を紹介してきました。

ちなみに映画『秘密』ですが、Amazonプライム会員はプライム・ビデオでレンタルですが鑑賞することができます。

よかったらぜひこの機会に観てみてください。

この記事を書いた人:藤代あかり(@akarifujishiro)