漫画『死化粧師』 静かに心に残る、少し不思議な読後感

漫画

タイトルだけを見ると、ちょっと構えてしまう漫画ってありますよね。

『死化粧師』も、まさにそのひとつかもしれません。

でも実際にページをめくってみると、「思ってたのと違うな」と感じる人が多い作品でもあります。

派手さはないけれど、静かで、どこか心に引っかかる。

読み進めるほどに、じわっと距離が縮まっていくような感覚。

今回は、そんな三原ミツカズ氏の漫画『死化粧師』について紹介していきたいと思います。

重そうに見えて、意外と読みやすい。だけど読み終わったあと、少しだけ立ち止まってしまう——そんな作品が気になる方に、届けばうれしいです。

漫画『死化粧師』概要

漫画『死化粧師』は祥伝社『FEEL YOUNG』にて連載されていた三原ミツカズ氏の漫画です。

あらすじは以下の通り。

エンバーミング【embalming】――それは、遺体に防腐、殺菌、修復などの処置を施し、生前の姿に近く戻す技術。死化粧師(エンバーマー)間宮心十郎は、その技術を駆使して、遺されたものたちの心までも癒していく。死と再生をめぐる感動の物語。
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漫画『死化粧師』のレビュー・感想

三原ミツカズ氏の漫画『死化粧師』は、タイトルだけ見ると少し身構えてしまう作品かもしれません。

でも読み始めてみると、その印象はわりと早い段階で裏切られます。

怖さやグロさで押してくる作品ではなく、むしろ静かで、しんとした余韻が残るタイプの物語なんですよね。

主人公は、亡くなった人に“最後の化粧”を施す死化粧師。

彼の仕事は、単に顔を整えることではなく、その人が「その人らしく」旅立てるように整えてあげること。

ここがこの作品のいちばんの芯だと思います。

描かれるのは、死そのものよりも、そこに至るまでの人生や、人と人の関係性。

遺された家族の後悔だったり、言えなかった言葉だったり、「もっとこうしてあげればよかった」という思いが、毎話少しずつ滲み出てきます。

読んでいて胸が詰まることもあるけれど、不思議と後味は悪くありません。

三原ミツカズ作品らしい、耽美で少し影のある絵柄も『死化粧師』の世界観にぴったり。

線は繊細で美しいのに、感情はちゃんと生々しくて、ページをめくるたびに静かな重みが伝わってきます。派手な演出がなくても、ちゃんと心に刺さるんですよね。

また、この作品がいいなと思うのは、「正解」を押しつけてこないところ。

死に対する向き合い方も、悲しみの整理の仕方も、人それぞれでいいんだと、淡々と描いてくれます。

読者に泣けと言わないし、感動しろとも言わない。ただ、そっと差し出される感じが心地いい。

『死化粧師』は、元気なときに読む漫画というより、少し立ち止まりたくなったときに開きたくなる作品かもしれません。

生と死のあいだにある、人の弱さや優しさを、静かに見つめ直させてくれる一冊。

派手さはないけれど、読み終わったあと、ふと誰かの顔を思い浮かべてしまう。

そんな余韻を残してくれる、忘れがたい漫画です。

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漫画『死化粧師』まとめ

というわけで、漫画『死化粧師』を紹介してきました。

よかったらぜひこの機会に読んでみてください。

この記事を書いた人:藤代あかり(@akarifujishiro)