第二波に対してだとか、諸々心配なことはまだあるけれど、ひとまず緊急事態宣言は一旦解除され、なんとかコロナが襲来する前の日常に近しいものに戻らんと、それぞれの業種業界、個々人のスピードで歩みが始まっております。
私自身はまだ仕事が少なく、stay homeが半々か少し多いくらいの日々を過ごしておりますが、美容院であったり、サイズをどうしても自分の目や手で確かめたい服飾系の店舗などの営業が再開し始めているので、
10万円の給付金を受け取った暁には、少し出かけてみたいかな、と思わなくもないです。実際出かけるかどうかはさておいて。
さて、そんな日々の中で、ふと目についたニュースがありました。
それは、東京タワーの営業再開に向けての歩みについてのもの。
曰く、展望台へと上がるエレベーターが”3密”環境に該当するので、営業再開後はしばらく展望台まではおよそ600段ある階段での上り下りを原則とする、というのです。
このニュースを見て、私の脳裏に20歳の頃の夏の日の光景が蘇りました。
というのも、私は過去に上りだけですが、展望台まで階段で登ったことがあるのです。
今回はその時のことについて、書き残しておきたいと思います。
なお、誤解のないように言っておきたいのですが、私は東京タワーに対して何も恨みはないし、ネガキャンしたいわけでもありません。
あしからずご了承ください。
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20歳の夏、東京タワーデートで600段の階段を登るに至った経緯
20歳。大学2年生の夏、私には彼氏がいた。所属サークルの同期である。
そんな彼氏という存在は1都3県のいわゆる首都圏とそのベッドタウンに該当しない街が出身地で、デートの行き先として、ザ・トウキョウという感じの場所をよく選んでいた。
たとえばお台場とか。東京タワーとか。東京ミッドタウンとか。原宿とか。
かたや私は、居住地を聞かれたら県名をすっ飛ばして「横浜市!」と答えるタイプの、実家から通学している民。
ローカル線でも1時間程度電車に乗っていれば東京都にたどり着くので、さしてザ・トウキョウスポットには興味はないけれど、東京ディズニーリゾートを始めとしたザ・デートスポット的な場所に行きたがった。
あとは他の遊園地とか水族館とかプラネタリウムとか。
なので、まぁある意味お似合いとも言えたのかもしれない。
そんな中で、ある日のデートの場所に選ばれたのが東京タワーだった。
2012年に東京スカイツリーに抜かれるまで、電波塔として、観光施設として、日本一の高さを誇っていた、あの赤いタワーである。
当時はまだ東京スカイツリーは建っていなかったけどね。
さて、20歳の夏、東京タワーへと訪れたその日はとてもよく晴れていた。
よく晴れた夏の暑い日だったからこそ、東京タワーの麓で「階段で登ってみよう!」といった具合の掲示を見つけた際に、彼は600段にも及ぶチャレンジへと誘われてしまったのだとも思う。
ちなみに、私の記憶が正しければ、その日は膝丈くらいのジーパンに薄手のトップス、そしてウェッジソールの厚底タイプのサンダルという装備だったはずなんですが、
つくづく自分がヒールの細い靴を好まないタチでよかったと、あれほど思った日はなかったかもしれない。それでも、厚底、5cmくらいはあったはずだけど。
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東京タワー展望台へと続く600段
彼が登ってみたいというし、何せ当時は期間限定的なイベントだったはずなので、私自身もまぁせっかくだから、とその提案を受け入れたわけなのですが、600段というのはやはり並大抵の段数ではありませんでした。
それに何より、遊園地で1番怖くて嫌いな乗り物は観覧車というくらいには、私は今も昔も高いところが大嫌いなのです。
お化け屋敷でもほぼ無反応、夜中に暗い部屋の中でバトル・ロワイアルシリーズの一人上映会を開催できる程度にはホラー・スプラッター耐性あり。
自然豊かな中高時代にムカデに遭遇すれば、ちりとりで捕獲して水洗トイレに流した後、
「アーメン」
と合掌(そういう学校だった)することもできたし、
雷に対しては騒ぐでもなくテンションが上がるわけでもなく「おー鳴ってる鳴ってる(棒)」みたいな反応の薄さを発揮する。
そんな私にとっての、ある種唯一の弱点です。
まぁ飛行機にも乗れるし、高い建物に登っても真下さえ見なければなんとかなるんですが。一番始めのゆっくりと上昇していく時間さえやり過ごせば、ジェットコースターも大好きですしね。
(ただ、就活の時に頭の中を真っ白にさせた、外の景色が丸見えのタイプのエレベーターとか、垂直落下するフリーフォールタイプの乗り物は私にとってはやはり天敵ではありますが)
ちなみに東京タワーに当時設置されていた階段自体は、頑丈そうな鉄柵がついているとはいえ、工事現場にありそうな鉄製のシンプルなもの。空いている小さな無数な穴から、下手をすれば下が見えてしまいます。
提案に乗ってはみたけれど、すぐに後悔が私を襲いました。
とはいえこの階段、一度登り始めてしまったら最後、途中リタイアができない物。登り切るか、降りて助けを求めにいくかどちらかしかないのです。
というわけで、それはもう必死に登り切りました。
一応公式ホームページ上には「15分で行ける!」的なことが書いてあるし、当時の看板にも出ていたと記憶しているし、
当時は20歳と若かったし、元運動部というアドバンテージというアドバンテージもあったので、体力的な面は特に問題はなかったはず。
高校を卒業してから2年、部活引退からは3年経過していたとはいえ、教職を取っていなかったにもかかわらず大学でも体育は履修してたし。
元バレーボール部員かつ元アタッカーの血が騒いだのか、テニスの授業でロブが上がるとジャンプスマッシュを決めてしまい先生に怒られる、という事案が発生したのも確かこの頃だったはずだし。
と、話はだいぶ逸れましたが、そんなある種の体力に余裕があったはずの私でしたが、主に精神的な事由で、展望台へと辿り着いた頃にはどっと疲れ果てていました。
で、お腹が空いた時や自分でも機嫌があまりよろしくないな、という時は無言になりがち、という特性があるな、という自覚はあるんですけれども、
登っている途中からそれが発揮されたことは、まぁ仕方がなかったことなのではないかな、と自分を弁護してみます。
さすがにこの後何か奢ってもらったような気がする。もうあまり覚えてないけど。
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東京タワー、階段で行くか?エレベーターで行くか?
というわけで、ここまで東京タワーの展望台まで階段で登るというデートをした時の思い出を振り返ってきました。
私の場合、あまり良い思い出とはいえませんが、それは当日の私の装備と私がもともと兼ね備えている性質がそぐわなかったというだけで、けしてデートの場所として否定したいわけではありません。
東京スカイツリーに抜かれるまでは日本一の高さを誇るタワー。晴れた日に展望台から見る景色はやはり圧巻といえます。
ただし、現状上りも下りも階段で、ということが推奨されている状態なので、次の条件に当てはまる場合は東京タワーデートをエレベーターの制限が解除された後にずらすか、別日に出直すか、そもそも東京タワーでのデータを取りやめるかした方がいいでしょう。
・厚底やヒールなど、日常生活ではまず登らないであろう階段の数が多い場所に向かない靴を履いている場合
・デートする同士の片方が高所恐怖症である場合
なお、東京タワーの営業状況や階段で行くコースのご案内などは、下記の公式ホームページをご確認ください。
また、ここまで書いてはきましたが、純粋に今の体力でこの階段を登り切ることができるのか、ということに関しては純粋に興味があります。
一応まだ筋肉痛は翌日に来るタイプですが、最近エスカレーターやエレベーターに逃げがちなので……
なお、本記事ですが今回はいつも参加している3000文字チャレンジ(@challenge_3000)という企画のスピンオフ版、「さんぜん文字チャレンジ」の参加記事となります。
というわけで、お題と企画のルールについてはこちらから↓
何か書きたい。
でも、
何を書こう?
そんな方はご利用ください。
【さんぜん文字チャレンジ】
毎週木曜日に出題中!
※本家3000文字チャレンジ@challenge_3000 も同時開催中! pic.twitter.com/DeKidJ4Xrr
— なかの (@nakano3000) May 14, 2020
テーマは『20歳の頃』『靴』でお送りしました。
この記事を書いた人:藤代あかり(@akari_fujishiro)