「あなたの人生を支え、彩ってくれた音楽は、何ですか?」
ライターのカツセマサヒコさんが愛してやまない
Mr.Childrenの『重力と呼吸』のリード曲“Your Song”に寄せて作られたのが、
上記の特設サイトでした。
あなたの人生を変えた一曲は、といった同種のテーマは
折に触れて語られることの多いテーマのひとつのような気もしますが、
私も、このテーマについて考えてみようと思って、今回この記事を書いています。
一曲、は選びきれなかったので、今回扱いたいのは、
THE BACK HORNの『いつものドアを』と『美しい名前』です。
なお、現在、結成から20周年を迎えたTHE BACK HORNの
ミュージックビデオ計42タイトルの一斉配信がスタートしています。
興味を持たれた方はぜひ、以下のページからチェックしてみてください。
- MUSIC VIDEO公開サイト
- Apple Music
THE BACK HORNをApple MusicでTHE BACK HORNの音楽をApple Musicで聴く。 - YouTube Music
THE BACK HORN公式アルバム、シングル、ミュージック ビデオ、リミックス、ライブ パフォーマンスなど、あらゆる音楽をお楽しみいただける新...
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THE BACK HORNとは
簡単な経歴紹介
1998年に、山田将司(ボーカル)・菅波栄純(ギター)・岡峰光舟(ベース)・松田晋二(ドラムス)
の4人のメンバーで構成されているバンド。
音楽ジャンルとしては「オルタナティブ・ロック」に該当するようですが、
すみません、この辺りの細かい分類に関してはあまり詳しくないです…
1999年にアルバム『何処へ行く』でインディーズデビュー後、
2001年に『サニー』というシングルでメジャーデビュー。
彼らの「聞く人の心をふるわせる音楽を届けていく」という活動テーマは、
『KYO-MEI』というワードに強く現れており、この言葉はライブタイトルにもよく使われています。
なお、退廃的な詩と破壊的なサウンドが特徴でもある彼らの音楽を評して、
日本三大鬱バンドと言われていた時期もあったり…
(他の2バンドはSyrup16gとART-SCHOOLです)
もちろん、『美しい名前』をはじめとした、
静かで綺麗なバラード曲なども初期から製作されているのですが、
最近は詩の中にあった退廃的な側面は若干薄れてきたようにも個人的には思います。
個人的なNo.1鬱ソングは『白い日記帳』……なのですが、
この曲は鬱というよりはヤンデレといったほうが正解、かも(笑)
主なタイアップ曲
THE BACK HORNの楽曲のうち、CMやアニメ、映画などのタイアップとなっているものは以下の通りです。
- 『サニー』:スペースシャワーTV2001年4月度PUWER PUSH
- 『未来』:映画『アカルイミライ』主題歌
- 『レクイエム』:映画『CASSHERN』挿入歌
- 『コバルトブルー』:日本ケロッグ「コーンフロスティ」CMソング
- 『奇跡』:映画『ZOO』主題歌
- 『罠』:アニメ『機動戦士ガンダム00』エンディングテーマ
- 『閉ざされた世界』:『劇場版機動戦士ガンダム00 -Awakening of the Trailblazer-』オープニング
- 『警鐘』:『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』Supporter’s meeting 2010キャンペーンソング
- 『クリオネ』:ちふれ化粧品「SAVE WOMAN」2011CMソング
- 『刃』:映画『魁!!男塾』主題歌
- 『With You』:リクルート「タウンワーク」告白篇CMソング
その他にも、鏡月のCMソング「きょう、きみと」では
ボーカルの山田将司さんが作曲で携わり、その歌声を披露しています。
こちらを観たことがある人もいらっしゃるかもしれませんね。
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3.11とTHE BACK HORNと私
私とTHE BACK HORNとの出会い
私とTHE BACK HORNとの出会いは大学生の時と少し遅めでした。
入学してすぐくらいに高校の友達とカラオケに行ったのですが、
その時に歌われた曲が『墓石フィーバー』。
タイトルもなかなかシュールなのですが、歌詞もなかなかパンチが効いている。
何だこれ?!
となって、すぐにTSUTAYAで目に付いたCDをレンタル。
その後、有料FC会員になってライブにも行くようになりました。
(今は会員ではなくなってしまったのですが…)
そういえば、人生で初めて有料FC会員になったのは、THE BACK HORNでしたね。
FC名も『銀河遊牧民』と少し変わった名前で、
とある年の会員継続特典のメモ帳とフリクションボールペンを使っていたら職場でつっこまれた記憶があります(笑)
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3.11とTHE BACK HORN
2011年3月11日。東日本大震災。
私自身はすでに社会人となっていて、
東京のとあるエリアにあるオフィスでこの日この時間を迎えました。
当時は、海外諸国のお客さんからリアルタイムでチャットやメールが飛んで来る、
システムの運用・保守のチームにいたのですが、
ニュースがそちらの諸国でも流れたのか、余震の最中に机の下で、
たくさんこ安否を心配するお声も受け取ったことを、つい昨日のことのように覚えています。
THE BACK HORNに関してはいえば、
メンバーのうち2名が福島県、1名が茨城県出身ということもあり、
2011年3月30日に緊急で配信限定シングル『世界中に花束を』をリリース。
そしてこの『世界中に花束を』の収益金は、東日本大震災の被災者に対する義援金として、
日本赤十字社を通して寄付しています。
また、2010年に福島県出身の4人の音楽家たちによって結成された「猪苗代湖ズ」というユニットには、
ドラムスの松田晋二が参加しているのですが、
その「猪苗代湖ズ」は2011年の紅白歌合戦に出場しています。
そうして、東日本大震災以後、被災者の方々や復興に寄り添う彼らの音楽活動を見てきたのですが、
そんな彼らの音楽に触れていく中で最も「心ふるえる」体験をしたのは、約1年後のライブでのことでした。
『いつものドアを』と『美しい名前』
2012年09月07日〜2013年01月14日にかけて、
『「KYO-MEIツアー」〜リヴスコール〜』というツアーが行われました。
2012年6月にリリースされたアルバム『リヴスコール』を引っさげてのツアーで、
Zepp Diver Cityから始まり、武道館で終わるこのツアー、私は最初と最後の公演に参加しています。
残念ながら前後のセトリは今となっては思い出せないのですが……
というよりも、前後の流れが吹っ飛ぶくらいに印象的だったのが、
『いつものドアを』と『美しい名前』が連続で演奏された、というこの時のセトリだったのです。
今でこそ、と言いますか、年を経ることにと言いますか、
涙もろくなったという自覚はあるのですが、ライブへ行って、
途中で涙が止まらなくなる、という経験をしたのが、この時が初めてだったんですね。
アルバム『リヴスコール』に収録されている『いつものドアを』も、
2007年リリースのシングル『美しい名前』も、
どちらも大切な人を失った、その時にようやっとその人の大切さを身に沁みて感じた。
だいぶ簡素に要約すると、そんな内容の楽曲です。
なんとなく疑問に思うこともなく、ずっと続くと思っていた日常と、
大切な人がいる生活が。もちろん当たり前ではないこと。
私自身、関東で育って当時も住んでおり、
親類縁者は皆さらに西に住んでいるような家庭でしたので、
大変な思いをした、悲しいなんて言葉で言い表せないような出来事に遭遇した、
ということもなかったのですが…
ずっとあの震災以後、このままの生活を続けていて良いのだろうか、
という疑問が心の内にあったのだな、ということを、今になって思います。
それが、ほぼわけもわからずに、あの日泣いていた理由なのかもしれない、と。
もっと具体的にいうと、その当時働いていた会社が、
まぁ長時間労働の巣窟のような場所でして。
身体がすでに結構ボロボロな状態だったんですね。
毎日毎日定時後に、会社近隣にある、ほぼすべての診療科目の病院に日替わりで通っていたくらいには。
それでも、なかなか次の場所へ行く踏ん切りがつかなかったんですね。
震災以後、なんとなく胸の内でくすぶっていた「何か」がある程度きちんとした輪郭を持って、
楽曲の本来意味するところとはズレているかもしれませんが、
結果として背中を押される形になったのが、きっとこの時だったのだと思います。
大切な人、というのは、家族や友人、あるいは恋人といった他者を指すイメージがあると思いますが、
そこに、自分自身を含んでもいいのではないか、とも考えたのです。
健康で文化的な生活を送れる自分自身、というのも、
もちろんいつまでも当たり前ではないわけですからね。
結果としてあの日から1年程度かかってしまったのですが、無事に転職することができたのは、
あの時ライブに足を運んだこともひとつの大きなきっかけだったなぁと、今では思います。
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終わりに
今回ふと、この記事を書いてみようと思ったのは、
某国民的アイドルグループの活動休止というニュースを目にしたことがきっかけでした。
THE BACK HORNもまた、現在彼らと同じ結成20周年を迎え、それを記念したツアーの真っ最中だからです。
THE BACK HORNが20年音楽活動を続けてきたことも、
今のところこれからも続けていくということも、当たり前ではないということ。
彼らの生の音楽に触れるのは数年ぶりになりますが、2019年2月8日。
日本武道館にて、このツアーのファイナル公演が行われるので、しっかり楽しんで来ようと思います。
また、現在、結成から20周年を迎えたTHE BACK HORNの
ミュージックビデオ計42タイトルの一斉配信がスタートしています。
この記事で少しでも興味を持っていただけた方はぜひ、以下のページからチェックしてみてくださいね。
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この記事を書いた人:藤代あかり(@akari_fujishiro)