少女漫画と聞いて、どんな物語を思い浮かべるでしょうか。
甘い恋、わかりやすいハッピーエンド、胸がきゅんとする展開――そんなイメージを持っている人ほど、ちょっと立ち止まってほしい作品があります。
小花美穂さんの漫画『パートナー』は、タイトルも絵柄も一見すると王道の少女漫画。
でも、読み進めるうちに「これはただの恋愛漫画じゃないかもしれない」と、静かに気づかされるタイプの一冊です。
軽やかに読めるのに、なぜか心に残る。
読み終えたあと、登場人物のことや、自分自身の人との距離感について、少し考えてしまう。
今回は、そんな『パートナー』について、印象に残ったポイントを交えながら紹介していきたいと思います。
漫画『パートナー』概要
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漫画『パートナー』のレビュー・感想
『パートナー』は、定番の少女漫画らしい展開を想像して手に取ると、そのイメージを心地よく外してくるタイプの作品だと感じました。
恋愛感情が芽生えたり育っていく過程というよりも、「なぜこの二人はここまで互いを必要としてしまうのか」「その関係は健全と言えるのか」という部分が、かなり丁寧に描かれている印象です。
恋愛はもちろん描かれているんだけど、それ以上に強く残るのは、「人と人が一緒に生きていくことの重さ」や、「依存と自立の境目」といったテーマなのではないかと感じるんです。
物語の中心にあるのは、誰かを強く想う気持ちが、必ずしもきれいな形だけでは存在しないという現実。
好きだから守りたい、そばにいたい、理解したい。そうした感情が、救いにもなれば、同時に相手を縛るものにもなってしまう。
その危ういラインを、『パートナー』はかなり踏み込んで描いてきます。
登場人物たちは、それぞれに欠落や弱さを抱えていて、だからこそ相手に強く執着してしまう。
その依存関係が、安心感と不安定さの両方を生み出していく過程がとても生々しくて、読んでいて胸がざわっとする場面が何度もありました。
小花美穂さんらしい作風で、ビジュアルは親しみやすく、物語のテンポも軽快です。
でもその読みやすさに油断していると、ふいに核心を突くような感情描写が差し込まれてきて、ハッとさせられるんですよね。
登場人物の表情や間の取り方ひとつひとつに、「言葉にできない感情」がきちんと宿っているのが印象的です。
物語を通して突きつけられるのは、「信じるって何?」「一緒にいるってどういうこと?」という問い。
一緒にいることで救われる部分と、逆に壊れていく部分。その両方から目を逸らさないところが、この作品の強さだと思います。
特に、人との距離感がうまく取れなかったり、誰かに必要とされたい気持ちが強い時期に読むと、かなり刺さるんじゃないでしょうか。
個人的には、登場人物たちが完璧じゃないところもすごく好きでした。
正しい選択ばかりできるわけじゃないし、弱さゆえに間違えることもある。でもその不完全さがあるからこそ、SF要素の強い物語が現実から浮きすぎない。
『パートナー』は、少女漫画という枠にありながら、かなり現実寄りの感情と関係性を描いた作品だと思います。
甘さだけじゃない、少し苦くて、でも確かに人の温度が残る一冊。
ラブストーリーとして楽しめるのはもちろんですが、それ以上に、人と人との関わりそのものを描いた物語として、じっくり味わってほしい作品です。
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漫画『パートナー』まとめ
というわけで、『パートナー』を紹介してきました。
よかったらぜひこの機会に読んでみてください。
この記事を書いた人:藤代あかり(@akarifujishiro)



