学生の頃に触れた漫画というのは、連載がすでに終了していたとしても、たとえばTwitterなどで話題にあがっていると懐かしい気持ちになったり、
ふとその作品のことを思い出してまた読みたくなるといったことがあるかと思います。
当時読んだ漫画の全てがそうでなかったとしても、強く印象に残っている作品がいくつか思い浮かぶ、という人もいるのではないでしょうか。
私にとってはそんな印象的な作品の中に、当時の友人が貸してくれた三原ミツカズ氏の漫画があります。
ということで今回は三原ミツカズ氏の漫画のうち『毒姫』を紹介していきたいと思います。
三原ミツカズ氏と言えば、ドラマ化もされた『死化粧師』の方が有名かもしれませんね。
そちらもそちらで機会を作って読み直そうと思いますが、まずは本作から。
なお、本記事では続編の『毒姫の棺』も含めて取り扱います。
漫画『毒姫』概要
漫画『毒姫』は2002年〜2012年まで朝日ソノラマ社の『ネムキ』という雑誌に連載されていた、三原ミツカズ氏による日本の漫画作品。
続編に『毒姫の棺』(2017年〜2020年に朝日出版社『nemuki+』にて連載)があります。
なお『毒姫』のあらすじは以下の通り。
すべての体液を猛毒化し毒姫と呼ばれる美しい少女たち。王を殺害するために送り込まれた毒姫リコリスは三つ子の王子たちと出会う。’忌み子’と称される王子は誰なのか!? ドラマチックストーリー。ボリュームの上下巻で発売!!
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漫画『毒姫』のレビュー・感想
幼少期から少しずつ身体を毒に慣らすことで、血も涙も汗も、何もかもが触れる者にとって猛毒となるように育てられた姫たちーー通称・毒姫。
彼女たちはまた容姿が美しく、嫁ぐないし愛妾となることで、周辺諸国の王族たちなどに取り入り、暗殺することを使命に育てられています。
もちろん毒姫ほど極端な事例でなくても、政治的な策略のために女性が「使われる」といったことは、長い人類の歴史の中にはそれこそ数えきれないほどあったことでしょう。
第一話に登場する毒姫・ベラドンナは毒姫として気高くあろうとしたのと同時に儚さを持ち合わせているという悲哀がよく描かれていて、
続いて第二話以降登場する毒姫・リコリスの人間臭さがとの対比がよく効いているな、と読み直してみて改めて思いました。
それぞれに闇を抱える三つ子の王子たちとの交流とその結末を含め、なんだかドラマを観ているような気持ちになって来ますね。
ゴスロリというファッションを含め、全体的に退廃というワードが似合う世界観なので、学生時代に心の琴線に触れた理由がわかったような気がします。
今読んでももちろん面白いと感じるのですが、いわば「厨二病をくすぐる」という性質も持ち合わせているような気がするのです(読んだ当時は中学2年生よりはもう少し年齢がいっていた気がしますが)。
今の年齢になってみると、アフターストーリーである『毒姫の棺』の存在を知り、合わせて今回読めたことはすごく良かったなと思います。
三つ子のうち、『毒姫』本編の後のハルがどう生きたのかが気になっていたので。
というわけで、絵柄や内容を含め、好みの分かれそうな作品ではありますが、
ゴシックを始めとした時代背景、退廃という世界観の似合う作品が好きな方ーーそうだな、ALI PROJECTなどに惹かれた経験のある方は、一読してみて損はないんじゃないかと思います。
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漫画『毒姫』まとめ
というわけで、漫画『毒姫』を紹介してきました。
よかったらぜひこの機会に読んでみてください。
この記事を書いた人:藤代あかり(@akarifujishiro)