漫画『ブレーメンll』あらすじ・感想・レビュー

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以前に川原泉さんの『笑う大天使(ミカエル)』や、清水玲子さんの『月の子 MOON CHILD』といった作品を紹介した時にも触れて来た「マンガPark」というアプリ。

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開発元でもある白泉社の漫画たちに囲まれて育って来たわたしにとっては、懐かしの作品がどんどん追加してもらえていることもあり、日々の楽しみの一つとなっています。

そんな中最近新たに掲載を開始したのが、『笑う大天使(ミカエル)』と同じ川原泉さんが描かれた、『ブレーメンll』という未来を舞台にしたSFマンガです。

同ジャンルの作品でも他ではあまり見ない設定と、相変わらずの川原泉さんワールドが前回のこの『ブレーメンll』について、今回は紹介していきたいと思います。

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『ブレーメンll』概要

『ブレーメンll』基本情報

漫画『ブレーメンll』は川原泉さんによって描かれた日本のSF漫画。

1998年に白泉社の『PUTAO』にて連載されていたものが、1999年に同社の『メロディ』に掲載紙を移し、2004年に完結しています。

ちなみに本作は川原泉さんの『アンドロイドはミスティー・ブルーの夢を見るか?』という短編の続編ともなっていて、

キラ「イレブン・ナイン」船長、ナッシュ社長、コンピュータ人格のアンブレラが本作でも引き続き登場しています。

『ブレーメンll』あらすじ

時は西暦2306年。人類は本格的に宇宙開発に乗り出した21世紀後半から、慢性的で深刻な人手不足に悩まされていました。

そこで遺伝子工学やバイオテクノロジーの力を借り、「体格を人間並みとし、種の特性を持ちつつも、知性を高められた働く動物たち」ーー通称・ブレーメンが生み出されました。

ブレーメンは過酷で危険な職場に配属され、こうしてこのような職場での人手不足は解消されつつあった。

そんな折、ナッシュ・ユーイング・レギオンが社長を務めるスカイ・アイ社では、ブレーメン達の採用に踏み切るにあたり、

船内全ての乗務員をブレーメンたちで編成した初の大型輸送船「ブレーメンII」を試験的に飛行することを決めます。

そして、社内最年少ながら、”9が11個並ぶほど誤差が少なく優秀で厳密”であることから「イレブン・ナイン」の異名を持つキラ・ナルセを船長に据え、「ブレーメンll」は宇宙を股に掛け、様々な星を巡る航海の旅に出ます。

しかし「ブレーメンll」は行く先々で未曾有のトラブルにまきこまれることに。果たして無事に地球に帰ってこられるのかーー?

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『ブレーメンll』のレビュー・感想

シリアスな展開やどことなく切ないストーリーでありながら、優しい視点で語られている本作は、やはり川原泉さんらしさを感じるところですが、

本作を語るにあたっては以下のような特徴も忘れずに書き残しておきたいところです。

宇宙航行・宇宙開発の歴史を学べる

漫画としてはやや活字が多い印象のある川原泉さんですが、本作でもそうした面は、特に宇宙航行や宇宙開発の歴史について触れられる際に感じられるかと思います。

ただ、川原泉さんの場合その説明的な要素はそこまで固く専門用語などで固められた文章ではありません。

またこの説明部分をすべて覚えないと作品を楽しめないということはない、という点もそうですが、

説明部分が終わった後にキャラクターの、簡単に言い換えるとこう、といったポイントを抑えたセリフが入ることも多いので、特に身構えたりする必要もないかと思います。

余談ですが各章の始まりに記されているその章のテーマとなる日本神話や童話などの物語が語られている点も個人的には面白いと感じています。

ブレーメンたちを取り巻く境遇と偏見

ブレーメンllが宇宙に飛び立ってすぐにキラ船長を案内したカエルのマエダが口にした「こんな一流企業に就職できて嬉しい」という言葉。

副長であるゴリラのダンテが、出港後すぐに船の全権を任されたことを、航宙図師であるウサギのシルビアが、自身の計算結果を何の疑いもなくキラが信じてくれたことを、航宙士であるクロヒョウのオスカーが航空技術を褒められたことを。

それぞれが喜ぶ姿に、動物である彼らを取り巻くこれまでの境遇が序盤から垣間見えます。

それは旅が進んでいっても変わらず、衛生面を理由に飲食店に出入りさせてもらえなかったり、

船内医師を勤めるカンガルーのアームストロングが開発した死に至る奇病に対してのワクチンを信頼されなかったり、

所有しているだけで罪となる電撃鞭を使用しての「お仕置き」という名の虐待が横行している環境に出会ったり。

極めて優秀で、従順で、ズルをすることもなく真面目に働くブレーメンたち。自分にとって部下であるか否か関係なしに、キラは彼らの境遇に憤り、時に彼らのために立ち上がる姿も本作の見どころの一つです。

最後にはこれまでの登場人物たち、そして大企業の社長でもあるナッシュ・レギオンも立ち上がり、ブレーメンたちの権利規定を制定させるまでに至る大団円は、

ブレーメンllの航行をずっと見守ってきた私を含む読者にとっても、胸がスッとするものだったのではないかと感じています。

『ブレーメンll』まとめ

というわけで、ここまで漫画『ブレーメンll』を紹介してきました。

特にブレーメンたちをめぐるストーリーの中で、時にシリアスな場面もありますが、

宇宙航行や宇宙開発の歴史について知識を得られたり、ブレーメンたちとの交流や、キラ船長・ナッシュ社長の親しみやすい気取らない性格もほのぼのしていて楽しめる作品です。

よかったらこの機会にぜひ読んでみてくださいね。

この記事を書いた人:藤代あかり(@akari_fujishiro)

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