映画『リアル 完全なる首長竜の日』 静かに心を揺らす、現実と感情のあいだの物語

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映画を観終えたあと、すぐに感想を言葉にできない作品ってありますよね。

「面白かった」「切なかった」だけでは片づけられず、しばらく頭の中に残り続ける――『リアル 完全なる首長竜の日』は、まさにそんなタイプの一本だと思います。

ジャンルや先入観だけで判断すると、少し構えてしまうかもしれないけれど、実際に触れてみると意外なほど静かで、個人的な感情に寄り添ってくる。

これは派手な驚きを用意された映画というより、観る側の記憶や感覚をそっと刺激してくる作品かもしれません。

今回はそんな映画『リアル 完全なる首長竜の日』を紹介していきたいと思います。

映画『リアル 完全なる首長竜の日』概要

映画『リアル 完全なる首長竜の日』は乾緑郎さんによる小説『完全なる首長竜の日』を原作として2013年に公開された日本の映画です。

あらすじは以下の通り。

浩市と淳美は幼なじみで恋人同士だったが、淳美は1年前に自殺未遂で昏睡状態に陥り、いまも眠り続けていた。浩市は淳美を目覚めさせるため、「センシング」という最新医療技術を使って淳美の意識の中へ入り込み、彼女がなぜ自殺を図ったのかを探る。センシング中に出会った淳美は、浩市に「首長竜の絵を探してきてほしい」と頼み、浩市はその絵を探しながら淳美との対話を続ける。しかし、センシングを繰り返すうちに、浩市は見覚えのない少年の幻覚を見るようになり……。
引用元:リアル 完全なる首長竜の日:作品情報・キャスト・あらすじ

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映画『リアル 完全なる首長竜の日』のレビュー・感想

『リアル 完全なる首長竜の日』は、正直ひとことで語るのが難しい作品です。

ラブストーリーなのか、SFなのか、ミステリーなのか。

そのどれでもあり、どれでもないような、不思議な手触りがずっと残ります。

物語の核にあるのは、「人の意識」や「記憶」、そして他人の内側にどこまで踏み込めるのかという問い。

仮想空間という設定自体はSF的ですが、描かれている感情はかなり生々しくて、むしろ人間ドラマ寄りだと感じました。

誰かを想う気持ちが強いほど、その人の苦しみや闇まで引き受けようとしてしまう危うさが、静かに滲み出ています。

映像表現もかなり独特で、現実と非現実の境目が意図的に曖昧にされているため、観ている側も「今、どこにいるんだろう?」という感覚に陥ります。

この落ち着かなさが、不安や執着といったテーマと妙に噛み合っていて、居心地が悪いのに目を離せない、そんな体験でした。

また、この映画は説明過多ではありません。すべてをわかりやすく言葉にしてくれない分、観る側に解釈を委ねてきます。

そのため、観終わったあとに「結局あれはどういう意味だったんだろう」と考え込む人も多いはず。

でも、そのモヤっとした余韻こそが、この作品の狙いなのかもしれません。

タイトルにある「首長竜」というモチーフも、単なる象徴以上の存在感があって、どこか懐かしく、同時に不気味。

現実では触れられないもの、失われたものへの執着や憧れを象徴しているようにも見えました。

派手な展開やカタルシスを求めると、少し肩透かしかもしれません。

でも、人の心の奥底や、愛することの不完全さに興味がある人には、じわじわと刺さってくる作品だと思います。

観終わったあと、「本当に触れ合うって、どういうことなんだろう」と、静かに問いが残る映画でした。

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映画『リアル 完全なる首長竜の日』まとめ

というわけで、映画『リアル 完全なる首長竜の日』を紹介してきました。

ちなみに映画『リアル 完全なる首長竜の日』ですが、Amazonプライム会員はレンタルですがプライム・ビデオで鑑賞することができます。

よかったらぜひこの機会に観てみてください。

この記事を書いた人:藤代あかり(@akarifujishiro)