考えてみれば自分はガッツリ男女の恋愛模様を描かれた作品より、もっとロードムービーとか人間ドラマ的な作品が好きだなぁと改めて思う今日この頃。
今回は蒼井優さん主演の映画『百万円と苦虫女』を紹介していきたいと思います。
映画『百万円と苦虫女』概要
映画『百万円と苦虫女』は2008年公開の、タナダユキ監督による日本の映画。
あらすじは以下の通り。
短大卒業後、就職もできずにアルバイト生活を送っている鈴子。ひょんな事件に巻き込まれた彼女は、人との関わりを避けるように家族のもとを離れ、百万円が貯まるたびに誰も知らない土地へと移り住むことにする。百万円あれば、アパートを借り、なんとか1人暮らしできるから。海の家、桃畑、行く先々で働きながら様々な人たちと出会い、温かさに触れるが、その関係から逃げていく。そんな中、はじめて自分の心を打ち明けられる恋人に出会い、幸せな日々を送るが…。
引用元：百万円と苦虫女｜映画 NIKKATSU
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映画『百万円と苦虫女』のレビュー・感想
一言でいってしまえば、退廃的なロードムービーといったところでしょうか？
これが正解な表現だとは思ってないんですけど、私は個人的にはこういう映画こそ好きなんですよね。
何せ、好きな映画はなんですか？と聞かれたらわりと最初の方に『リリイ・シュシュのすべて』をあげるタイプの人なので……。
(そういえば『リリイ・シュシュのすべて』にも蒼井優さん出演されてましたね)
彼女を演じているのが蒼井優さんだからこそ＋美人だから、という部分もあるだろうけど、
本作の主人公・鈴子はいかんせん意思が弱いというか、自分の意思がほぼないようなタイプの女性で、まあ行く先々で男性の影(トラブルの種)がつきまとう女性である。
弟が優秀なタイプということもあって、自己肯定感も低い女性なのだろうけど、流されやすくて幸薄そうな美人さんはダメな男を釣りがちだよね〜というある種の鉄板要素もあるのかな……。
鈴子としては、何事にも動じない自分になりたい、という理想像がある感じがするけど、それを、自分はどんな扱いを受けても、ダメンズを釣ってトラブルに巻き込まれても、
最悪100万円貯まったら引っ越すもんね、という切り札を用いて叶えようとしている感じもして、そこがかなり自虐的というか、自傷にも似たようなものを感じるところでもあります。
とはいえ、何事にも動じない自分には根の性格もあって本当の意味ではなれていなくて、先々で遭遇するトラブルで受けた傷は彼女の中では蓄積されている感じもします。
所詮は強がりだったり、引っ越すことで無理やり逃げているだけというのは否めないですからね。
とはいえ、たとえばこのまま鈴子がさらに転落したら『嫌われ松子の一生』になっちゃいそうなところですが、
弟からの久しぶりの手紙で彼の葛藤やそこから立ち上がる決意を持ったことを知って、鈴子自身も己と向き合って、強いフリをしてその実問題を先送りにして逃げ回ってばかりのこれまでと決別できたという点では、
『嫌われ松子の一生』と違って前向きなエンディングを迎えられているので、鬱々としたまま終わってしまう作品が得意でない人には向いている作品かなと思います。
ちなみに、もちろん犯罪なのでダメなんですけど、冒頭で鈴子が猫を捨てられ殺された腹いせに、男の荷物を全部丸ごと捨ててしまった部分については、猫のことを思えばそれくらい当然！むしろ足りないくらいだ！と思ってしまった自分がいることをここに付記しておきます。
もちろん無断で持ち物を捨てるのは犯罪なのでダメですよ！わかってますけどね！
あとこれは完全に余談ですが、途中の展開で(いくら町おこし的な意味合いがあるとは言え)、
テレビに映ることがとても名誉あることだみたいな言説があったのが
(鈴子に前科があるなしに関わらず)
多分一生分かり合えないタイプの人たちだなぁと一瞬覚めた目で見てしまったのはここだけの話。
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映画『百万円と苦虫女』まとめ
というわけで、映画『百万円と苦虫女』を紹介してきました。
ちなみに『百万円と苦虫女』ですが、Amazonプライム会員はプライム・ビデオで鑑賞することができます。
よかったらぜひこの機会に観てみてください。
この記事を書いた人：藤代あかり(＠akarifujishiro)
