『No Call No Life』は、心が擦り切れそうなほどの恋の物語

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突然ですが、あなたには「この作品、実写化やアニメ化してくれないかなぁ」と、年単位で願っている作品はありますか?

私にとっては長らく、今回紹介する『No Call No Life』がそうでした。

この作品が発売されたのは2006年なんですが、セカチューやいまあい、恋空や冬ソナといった純愛ブームが続く中、

なんでこの作品は映像化されないのかなぁ、なんていうことを考えながら過ごしておりまして。

とはいえ、さすがにもう15年近く経っているのでそんな願いも半ば忘れかけていた頃、まさかのホリプロ60周年記念作品としての映画制作の発表の報。

優希美青×井上祐貴W主演でホリプロ60周年映画! 過去からの留守電が導くミステリアスな恋物語「NO CALL NO LIFE」 : 映画ニュース - 映画.com
優希美青と井上祐貴がダブル主演を務める、ホリプロ60周年記念映画「NOCALLNOLIFE」が2021年春に公開されるこ...

思わず感極まってこうして筆を取っている次第です。

そんなややおかしなテンションでお送りすることになりますが、出演者のファンの方も、心にグッとくる恋愛小説をお探しの方も、ぜひ読んでみていただければと思い、今回は『No Call No Life』という作品について紹介していきたいと思います。

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『No Call No Life』概要

『No Call No Life』基本情報

『No Call No Life』は2006年に発売された小説。作者は壁井ユカコさん。

壁井ユカコさんは以前当ブログでも紹介したラノベシリーズ『キーリ』の作者でもあります。

なお、本作はホリプロ60周年記念として、優希美青さん&井上裕貴さんのW主演での実写映画化が決定しています。公開は2021年春頃とのこと。

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『No Call No Life』あらすじ

「時間を超えて電話が繋がるなんてこと、あると思う?」

佐倉有海(さくらうみ)の携帯電話に残されていた、見知らぬ男の子からの奇妙な留守番メッセージ。

その間違い電話に引き寄せられるように、有海は春川真洋(はるかわまひろ)に出会い、急速に恋に落ちていく。

「心が擦り切れそうな恋をしたーー」

しかしその恋はあまりにも刹那的で、欠陥だらけで、そしてつたないものでした……。

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『No Call No Life』のレビュー・感想

「心が擦り切れそうな恋をしたーー」

この文言は、実は最初に出たハードカバー版の帯に書かれていたものなのですが、
(参考として作者の壁井ユカコ先生の直近のツイートを載せておきます)

x.com

「擦り切れそう、というより擦り切れてるよ!」

という感想を見かけて、言い得て妙!と納得した記憶があります(笑)

壁井ユカコ先生といえば10代思春期の心の揺れ、この時期特有の不安定さを描くのがピカイチという印象が自分の中で強いのですが、

その特徴がより色濃く反映されているのが、他の著書を見渡してもこの作品がダントツかな、と感じています。
(次点は『エンドロールまであと、』あたりだと思われる)

有海と春川は、昔も今も互いの境遇が似ていることもあり、ある種十代の恋愛らしい「ここにしか世界がない」切羽詰まった感覚から惹かれあった感じがします。

有海が途中から育った家にいる従兄の佐倉航佑(さくらこうすけ)こと航兄が、春川と有海が似ている点について、最初は好意的に見ていたのに最後は2人の危うさを懸念している描写もありましたが、

似たもの同士自然と惹かれあったけれど、似たもの同士ゆえに欠けているところも一緒だったからこそ、互いが互いに補い合えずに、落ちていくようなラストを迎えたのかな、と。

でもある意味このヒリヒリするほどの痛々しさが青春らしいといえばらしくもあり、そこが本作の魅力でもあるのではないかと思います。

扱うテーマの中には重たい内容のものもあるし、救いらしい救いのない物語ともいえるので、読む人は少し選ぶかもしれません。

ただ、2人を最後まで見届けたくなるような、一気に読んでしまいたくなるような吸引力は確かにあるので、もしよかったら読んでみてほしい1冊です。

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『No Call No Life』まとめ

というわけで、今回は『No Call No Life』を紹介してきました。

あまりにも思い入れが強すぎる作品ゆえに、映画化を喜ぶと同時に、いつぞやの『秘密 -トップ・シークレット-』の二の舞にならないかとやや心配ではありますが(笑)

「秘密 THE TOP SECRET」は正直、映画を観るより原作を読んでほしい
私の中で、オススメしたい漫画TOP5に入っていると言っても過言ではないタイトルに、清水玲子さんの『秘密-トップ・シークレ...

それでも映画公開を楽しみにしつつ、それまでにまた何度も本作を読み返していこうと思っています。

まだ未読の方で、もし興味がある方は、ぜひこの機会に読んでみてくださいね。

この記事を書いた人:藤代あかり(@akari_fujishiro)