昨今すっかり読書から遠のいていたこともあって、今年のやりたいことリストの中に
「月に1冊以上本を読む」
という項目を設けています。
そんなわけで当ブログでも毎月読んだ本を紹介しつつ月1冊読むということを続けているのですが、
3月も新しい本を手にする前に何か積読しているものはなかったかな、と探していた中で、
今月はセンセーショナル(?)なタイトルから気になっていた『完全教祖マニュアル』を読んでみました。
と言うわけで今回はこちらの本のご紹介です。
『完全教祖マニュアル』概要
『完全教祖マニュアル』はちくま新書(筑摩書房)から2009年に出版されている日本の書籍です。
本書の内容としては以下のとおりです。
多くの人をハッピーにしながら、大きな尊敬を受ける―教祖ほどステキなビジネスはほかにありません。キリスト教、イスラム、仏教などの大手伝統宗教から、現代日本の新興宗教まで、古今東西の宗教を徹底的に分析。教義の作成、信者の獲得の仕方、金集め、組織づくり、さらには奇跡の起こし方―あらゆるシチュエーションを実践的に解説した本邦初の完全宗教マニュアル。
引用元:筑摩書房 完全教祖マニュアル 架神 恭介 ・辰巳 一世 著
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『完全教祖マニュアル』のレビュー・感想
冒頭から「これは何の情報商材を読み始めたんだっけ……」と思わず画面からのけぞってしまうようなノリ(電子書籍で読んでいたので)で面食らったのですが、
下手な情報商材より文量も多く(新書302ページ)お値段もお手頃です(紙媒体でも1,000円しないくらい、電子書籍ならさらにもう少し安いでしょう)。
基本的には「宗教の教祖」を想定した、「特別な才能もない一般人の私でも教祖になれるマニュアル」というテイの本書ですが、
さまざまな伝統宗教や新興宗教から得た情報を筆者なりに取捨選択し、「宗教現象に対する筆者なりの一つの解釈」「つまり、本書もまた一つの宗教」としながらもかなり体系的にまとまっているため、
読み進めていく中で、これは別に宗教じゃなくても当てはまるなぁ、と感じるところが随所にありました。
似非スピリチュアルの類はスピリチュアルと一応は冠しているということもあって宗教を感じやすいかもしれませんが、
反ワクチンとか陰謀論とかの類もそうですし、あるいはインフルエンサーと呼ばれる方々とそんな彼らが運営するオンラインサロンに集う人々を見ても、広義には宗教チックにも見える、と言えるのではないでしょうか。
そう考えながら読んでいると、彼ら彼女たちが本書を参考にしたか、どの程度本書に出てくるようなメソッドを意識して実践しているのかはさておき、
彼ら彼女らの手の内を覗いているようで、読んでいて純粋に面白いなと感じる本でした。
本書の語り口が終始ライトなもの……ちょっと怪しい情報商材っぽさもあったからというのもあるかもしれませんが。
なので、実際に自分が教祖たり得る何か(宗教に限らず)になりたいと思っていない人でも、楽しめる一冊なのではないかと思います。
またもしも今後とある宗教や活動などに興味を持ったときに、メカニズムを知らずにどっぷりハマってしまうより、
メカニズムを理解し、自分もそこに組み込まれていると知っていてなお、ついていく価値があるのかどうか見極められた方が、後悔しない道を自分の意志で選べることでしょう。
そのための入門書としても、本書は役立つのではないかと思います。
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『完全教祖マニュアル』まとめ
というわけで、『完全教祖マニュアル』を紹介してきました。
よかったらぜひこの機会にお手にとって読んでみてくださいね。
この記事を書いた人:藤代あかり(@akarifujishiro)