映画『侍タイムスリッパー』 時代劇ファンの人もそうでない人にも

映画

時代劇は、古くから多くの人々を魅了し続けてきたジャンルの一つと言えるかもしれません。

ですが、時代が進むにつれて「昔ながらの様式美」と「新しい感性」との間でその在り方が問われたり、「昔ながらの様式美」の楽しみ方がわからない人が増えてきたり、と、一筋縄では行かない部分出てきているのではないでしょうか。

伝統を守りつつ、時代の変化とどう向き合うのか――そんなテーマを、驚きと笑いを交えながら鮮やかに描き出した作品が『侍タイムスリッパー』なのではないでしょうか。

懐かしさと新しさが交錯するその映画は、時代劇ファンだけでなく、幅広い層の心を揺さぶる、そんな作品を今回は紹介していきたいと思います。

映画『侍タイムスリッパー』概要

映画『侍タイムスリッパー』は2024年に公開された日本の映画です。
第67回ブルーリボン賞作品賞、ならびに第48回日本アカデミー賞最優秀賞作品賞受賞作でもあります。

あらすじは以下の通り。

時は幕末、京の夜。
会津藩士高坂新左衛門は暗闇に身を潜めていた。
「長州藩士を討て」と家老じきじきの密命である。
名乗り合い両者が刃を交えた刹那、落雷が轟いた。
やがて眼を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所。
新左衛門は行く先々で騒ぎを起こしながら、
守ろうとした江戸幕府がとうの昔に滅んだと知り愕然となる。
一度は死を覚悟したものの心優しい人々に助けられ
少しずつ元気を取り戻していく。
やがて「我が身を立てられるのはこれのみ」と刀を握り締め、
新左衛門は磨き上げた剣の腕だけを頼りに「斬られ役」として生きていくため撮影所の門を叩くのであった。
引用元:侍タイムスリッパー|公式サイト

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映画『侍タイムスリッパー』のレビュー・感想

私自身、そういえばちゃんと時代劇って観たことないかもな……といいますか、そもそも私あまり時代劇って何っていうのを知らないかも?とまず思ったんですよね。

『暴れん坊将軍』とか『水戸黄門』とか『忠臣蔵』とかは時代劇なのかな?とは思うもののちゃんと観たことはないし、

『新撰組!』を始めとした大河ドラマってもはや「大河ドラマ」という1ジャンルという気がして、時代劇とはまたちょっと違う気もするし……

あと、私の不勉強もあるかもしれませんが、現代から過去の時代にタイムスリップする主人公、代表的なところだと『JIN-仁-』などような作品は多い気がしますが、

本作のように過去から現代にタイムスリップする主人公の作品ってそれと比べて少ないような気がして、そこが新鮮に感じられたんですけど、実際のところどうなんですかね?

……という、数々の私自身の疑問とかは一旦置いておいておくとして。

本作はなんというか、シリアスさとユーモアとのバランスがいいな、と感じる作品だなとまず感じました。

本作は東映京都撮影所の全面協力があるので、昔ながらの時代劇の作法であったり、セットや衣装、殺陣もかなりリアルに再現されていると思うんですけど、

昔ながらの時代劇の作法や演出が再現されたりと時代劇特有の「型」を守りつつも、現代の撮影所でのシーンではコミカルな表情や動きも取り入れられている。

それから幕末の価値観を持った主人公の高坂新左衛門が、最初は「侍の誇り」や「武士の矜持」として拒絶していた斬られ役という仕事に、

現代の価値観と衝突したりしながらも周囲の人々との交流を通じて順応していったりしつつ真剣に向き合うようになる過程は見どころだと思います。

「斬られ役」という職業のリアルな苦労や、時代劇というジャンル自体の存続問題にも触れられていたり、「撮影所ならではの裏側描写」が盛り込まれているのもポイントかもしれませんね。

だからこそ、元々の時代劇ファンの人もですが、普段は「時代劇ってちょっと敷居が高いかな……」と感じている人にとっても楽しめる作品なのではないかと思いました。

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映画『侍タイムスリッパー』まとめ

というわけで、映画『侍タイムスリッパー』を紹介してきました。

ちなみに映画『侍タイムスリッパー』ですが、Amazonプライム会員はプライム・ビデオで鑑賞することができます。

よかったらぜひこの機会に観てみてください。

この記事を書いた人:藤代あかり(@akarifujishiro)