泊まりがけというほどではなく、でも、普段の生活圏内からは離れた、ちょっと遠出がしたいな。
今回の記事はそんなことを考えていた頃に誘われた、横須賀行きの記録第3弾となります。
というわけで、江戸時代末期に黒船が現れた開国の地であり、開港から軍港まで、歴史と文化を感じることのできる横須賀について、前回・前々回に引き続き紹介していきたいと思います。
そして、第3回目となる今回は、横須賀といえば?このご当地フード!ということで、
横須賀海軍カレー本舗
をピックアップしていきたいと思います。
横須賀散策記録 世界三大記念艦「三笠」編
横須賀散策記録 YOKOSUKA軍港めぐり編
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よこすか海軍カレーとは?
「海上自衛隊では、長い海上での勤務中に曜日感覚を失わないため、毎週金曜日はカレーライスを食べる習慣がある」
というエピソードを耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
ただ、曜日感覚を失わないように「同じ曜日に同じメニューを食べる」という習慣は確かに長い間ありましたが、
実はこの「同じ曜日=金曜日」になったのはごく最近の話なのはご存知でしたか?
というわけで、カレーと海軍、海上自衛隊の歴史などを振り返ってみたいと思います。
海軍でカレーが採用されるまでの歴史
脚気は、ビタミンB1が欠乏した際に発症する病気で、心不全や末梢神経障害を引き起こし、最悪の場合は死に至る疾患です。
実は明治時代、大日本帝国海軍での病死数の最大の原因は「脚気」でした。
長期間洋上で任務する艦内での、白米中心で副食が少なく、栄養バランスの悪い食事が、脚気を引き起こしているのではないか。
そう考えた海軍軍医の高木兼寛氏は、日英同盟を結んでいたイギリス海軍の状況を参考に、食事の改善を科学的に実験してみました。
その研究によって、世界で初めて脚気の改善に関して疫学的にも根拠のある結果を得ることにも成功。
その後、日露戦争の時代に、肉や野菜を手軽な調理で摂取することができる食事として、大日本帝国海軍の横須賀鎮守府が採用したメニューが、カレーライスでした。
1908年には海軍当局が発行している海軍割烹術参考書にカレーライスのことを掲載し、さらには第一次世界大戦を通じて海軍内で普及。
このことによって、世界でもほとんどの国でできていなかった脚気の解消に成功することになります。
また、カレーライスは調理の手軽さもさることながら、調味料を醤油と砂糖に変えることで、日本人に馴染みの深い肉じゃがを作ることができるなど、補給の面でも都合が良かった点が、軍隊食として普及させやすかった理由のひとつとしてあります。
そして、現代の海上自衛隊でも、準備から片付けまでの手間があまりかからず、栄養バランスもいい食事としてはもちろんのこと、
曜日感覚を失わないために毎週同じ曜日に食べるメニューとして採用されたのが、カレーライスでした。
とはいえ、実はこの毎週同じ曜日、が金曜日に設定されたのは、週休2日制が導入された後のこと。
それまでは、土曜日が半ドン(半日勤務)だったため、給養員も午後には業務を終えて上陸・外出等をすることも。
それに対応するため、調理から片付けまでが比較的短時間で済むメニューとして、カレーライスが選ばれたのでした。
現代の海軍カレーの姿
海上自衛隊で食べられているカレーライスはすべて「海上自衛隊カレー」と総称されていますが、
実は各艦艇・部署ごとにその秘伝のレシピが伝承されており、同一の味や副食、レシピは存在しません。
ちなみに、2018年から「海上自衛隊レシピページ」上にカレーライスを始めとした海上自衛隊内で提供されている食事のレシピを公開しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
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よこすか海軍カレー本舗基本情報
住所
〒238-0007
横須賀市若松町1-11-8 YYポート横須賀
アクセス
電車で行く場合は、
京浜急行「横須賀中央駅」から徒歩2分
車で行く場合は、
・横浜方面から
国道16号線の久里浜方面にて、本町1丁目交差点を右折。
国道26号線を進み、横須賀中央駅前を左折し、米が浜通り入口の信号手前の左手にあります。
・久里浜方面よりから
国道16号線の横浜方面にて、日ノ出町1丁目交差点を左折。
米が浜通り入り口信号の先、右手にあります。
なお、店舗の専用駐車場はありませんのでご注意ください。
営業時間/定休日
2階 よこすか海軍カレーレストラン
●平日
11:00〜16:00(ラストオーダー15:30)
●土日祝日(夏休み)
11:00〜20:00(ラストオーダー19:30)
1階 横須賀土産・物産コーナー・カフェ
営業時間 9:00〜19:30
定休日(1階・2階共通)
1月1日〜1月3日
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横須賀海軍カレー本舗の定番メニューを実食!
来店したのが土曜日ということもあり、小一時間程度待った後に名前を呼ばれて2階に上がると、
戦艦三笠の船内をイメージしたレトロな内装と、明治時代に軍艦の中で奏でられていた音楽が出迎えてくれました。
よこすか海軍カレー本舗のレストランでは、冠メニューの「よこすか海軍カレー」の他、常時10種類以上の本格的なカレー料理が用意されているので、メニューを見ているだけでも楽しいのですが、
せっかくなので今回は定番の「よこすか海軍カレー」を注文しました。
このメニューではビーフorチキンカレーが選べる他、
ライスと牛乳、サラダ、薬味、海軍珈琲or海軍紅茶(ホットとアイスを選べます)がセットとなっています。
よこすか海軍カレーとはそもそも、日本海軍の軍隊食のレシピ「海軍割烹術参考書」の教えを守ったカレーライスのことを指すので、
カレーライスだけでは不足するカルシウムを補うための牛乳と、葉酸を補うためのサラダが添えられているのがポイントです。
この日はチキンのカレーを注文しました。
お味としては、若干私には辛いように感じましたが、そもそも私自身が成人するまで市販のカレールーでは甘口のものを食べ続けていたことを考慮すると、
普段から中辛を食しているよ、という方にとっては辛い!!というほどではないと思います。
辛さは調整もできるようなので、甘口派の方、もしくは大辛派だよ、という方は、注文の際に相談してみると良いかもしれません。
それ以外は、日本人に馴染みの深い、定番のカレーライス!といった感じのお味でしたね。
それでも、美味しいことには変わりはないので、ご当地グルメは食べておかないと!という方にはオススメです。
軍艦マーチにのせて
余談ですが、店内での食事中に突然軽快な軍艦マーチが流れるひとときがありまして。
実は「横須賀海軍チキンカツビッグカレー砲 featuring戦艦三笠」というメニューを頼むと漏れなくついてくるオプションなのだそうです(笑)
ご飯1kg、カレー600g、チキンカツ300g。戦艦三笠の主砲40口径30.5cmにちなんで、
「30.5cmのチキンカツ砲があなたの胃袋を直撃!」
(よこすか海軍カレー本舗レストランメニューページより)
というかなりボリューミーなメニューなので、
我が胃袋は鉄壁の防御力を誇る!
という自身がある方はぜひチャレンジしてみてください(笑)
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横須賀海軍カレー本舗まとめ
東京駅から約2時間という、ちょっと日常から離れてみたいな、という時に行きやすい距離にある横須賀という街。
観光を楽しみ、程よくお腹も空いたところでご当地グルメを楽しむのも、また醍醐味の一つですよね。
よこすか海軍カレー本舗では1階に物産コーナーもあるので、自身の旅の思い出用に、また、家族や友人とシェアするために、お土産を買って帰ることもできます。
横須賀に遊びに行く機会があったら、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
横須賀散策記録 世界三大記念艦「三笠」編
横須賀散策記録 YOKOSUKA軍港めぐり編
この記事を書いた人:藤代あかり(@akari_fujishiro)