昨今すっかり読書から遠のいていたこともあって、今年のやりたいことリストの中に設けている
「月に1冊以上本を読む」
という目標。
4月分の読書の更新が遅くなってしまいましたが、今回はこちらの本を紹介していきたいと思います。
『ここじゃない世界に行きたかった』概要
『ここじゃない世界に行きたかった』は2021年に発行された、塩谷舞さんによるエッセイです。
概要は以下の通り。
あたりまえに生きるための言葉を取り戻す。 出会うべき誰かと強く惹かれあうために――。 アメリカ在住のエッセイストが贈る、瑞々しいデビュー作!
『ここじゃない世界に行きたかった』 塩谷舞|単行本 – 文藝春秋BOOKS
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『ここじゃない世界に行きたかった』のレビュー・感想
塩谷舞さんの書かれる文章は、彼女がバズライターとして取り上げられる機会も多かったということもあって目にしてきました。
どこがとはうまく言えないのですが、とにかく「キレイな文章を書く人だな」という漠然とした思いがあって、だからこそ目にする機会があればテーマや内容はどうあれ、読むようにしてきたように思います。
人が他人の書く文章に対して「キレイ」と感じる時、もちろんそこには文章の構成とか、同じような表現でも使う語彙の違いであったりとか、きっとさまざまな観点があるのではないかと思います。
そして、どんな構成でどんな語彙を使うかについては、その人の歩んだ背景、その人の持つバックグラウンド(積んできた経験など)が密接に絡んでくるのではないでしょうか。
特に今回のようなエッセイではその人の背景や内面などが文章に現れやすく、だからこそ惹かれうる、という部分もあるのかもしれません。
この『ここじゃない世界に行きたかった』というエッセイは、一口に「こういうテーマのエッセイである」と言いにくい作品かもしれません。
ただ、彼女が彼女の心の内や、そうした心理に至った背景をシェアしてくれたことで、おそらく私たちが普段生きている「ここという世界」との対比が生まれる機会に触れる経験ができるのではないかと感じました。
自分の生きる「ここという世界」と彼女の生きる世界とのギャップ、その差異によって生まれる気づき、今まで考えても見なかったことに対する気づきを得ることは、
あるいは読書を通じた「ここじゃない世界に行く」体験を得られる機会なのかもしれません。
コロナ禍で長く「ここじゃない世界」と繋がる機会を閉ざさざるを得なかった世の中ではありましたが、
たとえ物理的に自分の日常生活より外の世界に踏み出す機会は減っても、読書など「ここじゃない世界」の扉を開ける機会はまだまだあるんだな、と、そんな風に感じる一冊でした。
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『ここじゃない世界に行きたかった』まとめ
というわけで、『ここじゃない世界に行きたかった』を紹介してきました。
よかったらぜひこの機会に読んでみてくださいね。
この記事を書いた人:藤代あかり(@akarifujishiro)