突然な上に新しいことを始めるにはなんだか中途半端な時期ですが、1週間を振り返りつつ、なんとなくその週で気になったトピックスについて書いてみようと思い立ち、
『ほぼ週刊カラクリ・メモ』
としてスタートすることにしました。
なお、「ほぼ」と付けているのは今週は特に何もなかったな〜と思えば飛ばしてもヨシ。話題が3つも4つもあればたくさん書けばヨシ。といった具合で幅を持たせるための保険です。そんな緩い感じの企画です。
というわけで、今週はこの話題について。
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日本アムウェイ合同会社 半年間の勧誘停止命令を受ける
日本アムウェイ合同会社が行政処分を受けたらしい。以下は消費者庁の該当の発表が行われているページです。
詳細は上記のページに委ねるとして、要するに下記のような違反が確認されたことによる処分らしい。
- 社名や目的を言わずに勧誘した
- 目的を告げずに誘った相手を自宅や事務所(公衆の出入りしない場所)に連れ込んで勧誘した
- 相手の意向を無視して一方的に(しつこく)勧誘した
- 契約締結前に書面を交付しなかった
私自身は今のところ人生においてアムウェイ及びABO(アムウェイビジネスオーナー)と呼ばれる販売を行なっている会員の方と関わったことはありません。
ただこのニュースを見て、アムウェイと取り扱っている商品のタイプはあまり遠くない別の連鎖販売取引(マルチ商法)の勧誘を受けた時のことをふと思い出したので、今回は当時のことを振り返って書いてみたいと思います。
バイト先の先輩からの突然の誘い
私を某連鎖販売取引(マルチ商法)に誘ったのは、私が大学生の間3年半ほど働いていたバイト先の一学年上の女性でした。
親密度で言うと微妙なラインで、勤務時間帯が重なることが多かった影響で、退勤時間が一緒の時にたまにバイト後にお茶に行くくらいの仲。
私自身があまりそれ以上プライベートで職場同僚と仲を深めるタイプではなかったこともあって、彼女の卒業後は自然と連絡を取り合うこともなくなった、くらいの関係性でした。
そんな彼女から連絡が来たのが、私が大学4年生の時の夏休み。バイト後にお茶でもしないかというお誘いだったように記憶しています。
彼女に対しては、朗らかで面倒見の良いお姉さんという印象をこれまで抱いていたこと。1対1ではなかったにしろ過去に何度かお茶した仲でもあること。こちらのバイトの勤務状況に合わせてくれるとのことだったので特に断る理由もなし。
同時に、OG訪問ではないけれど就活の話を聞いてみるのもアリかな、という思惑も少なからずありました。
というのも、時はリーマンショックの翌年。私自身の就活スキル(?)の問題があったことも否定はできませんが、いかんせん新卒採用そのものが絞られていた年。
そして彼女の場合はリーマンショック直撃の年であり、内定切りなどで阿鼻叫喚となっていた年だったし、実際に彼女も就活では苦労していたと漏れ聞いていたので、
少なくとも何かヒントのような得られるのではないかと期待していたわけです。
ちなみに当時の私は4年生後期まで必修科目の再履修が残っているし、卒業に要する単位全体を見てもかなりギリギリのライン、というダメを絵に描いたような学生。
しかも就活がうまくいっていなかった状態で、なんとか夏休みのうちに就職を決めてしまいたい、じゃなければ後期は就活を休み、冬休みに駆け込みでやるしかない、という焦りがあったことも付記しておきます。
まぁ結果として、彼女からはあまり就活にまつわる話は聞けず、今回の本題である某連鎖販売取引(マルチ商法)の勧誘結果となってしまったわけなのですが。
(就活自体は夏のうちに終えましたがこうした背景・焦りもあったのかブラックな会社に入ることになってしまったのは別の話)
死んだ魚の目と会って欲しい人
当日バイトを終えて会った先輩とどうなったかという流れについては、簡単に言うと、まず1店目のお店で軽くお茶。
その最中に彼女がやっていた「ビジネス」の話と、できれば会ってほしい人が(彼女の上位にいる会員)いるという話が出る。
そして、近くにあるというオフィス(?)に出向いて、会ってほしいと言われた人の話を聞く。以上でした。
今考えてみるとなんでオフィスまで着いていったのか、という話ではありますが、
まぁバイト代を母に全面管理されている人間として自分の自由になるお金が欲しいとはこの頃常日頃から思っていたので、ヘソクリが作れる話があるなら聞いてみようかな、という好奇心のようなものが働いたのか。
あるいは単に、怪しいとは分かりつつもそのビジネスの背景がどんな団体なのか、正体を知っておきたかっただけなのか。
いずれにせよ、私の取った行動自体はオススメできるものではありません。良識ある皆様におかれましては真似しないでくださいね。
ちなみに、今回のアムウェイのように後々突っつかれないようにするためのその人・会社の方針なのか、あるいはこちらが終始自分の懐事情とともに「買えませんよ」とアピールしていたことが功を奏したのか、強引な勧誘は一切ありませんでした。
ビジネスの仕組みだとか理念だとか、怪しくないよ〜的な話をされたように思いますが、それより印象的だったのが、上位会員が話している隣に立つ彼女の目でした。
この日は彼女に会った時から、なんだかとても疲れた顔をしているな、というより、もはや目が死んでいる、という感想を抱いていました。
大学生時代は部活動でスポーツもやっていた彼女の健康的で溌剌とした姿はそこには一切なく、
喩えるなら『銀魂』の主人公、坂田銀時を思いださせるようないわゆる「死んだ魚の目」というヤツです。(わからない人はググってみてください)
その、死んだ魚の目、の理由の一端が、上位会員の話を聞いている中で見えてきたような気がしたのです。
死んだ魚の目の理由と疑問
ビジネスの話をすれば、大半の人はマルチか、と、下手すれば彼女自身との付き合いを今後避けよう、と思うでしょう。これはとても自然な感情です。
上位会員はそのことを持ち出しつつ、商品の質は良いのだとか、世間が思っているような悪いことはしていないだとか、そんな話をしていました。
その上で、彼女とは今後も良い友人でいてほしい的なことも言われたことを覚えています。
ですが、この時私はひとつの疑問を抱いていました。
なんで彼女はこれを副業として選んだのだろう?ということです。
というのも、彼女は生命保険会社の営業(一昔前でいうところの生保レディ)として就職していたからです。
今はさすがにそこまでではないと信じたいですが、この仕事は就いたらまずは親兄弟親戚、ありとあらゆる縁故を辿って一人でも自社の生命保険加入者を!というイメージを持たれやすい仕事。
このイメージが本当に実態に近いような状態だったのだとしたら、彼女はくだんの連鎖販売取引(マルチ商法)以前から、周囲の人から今後の付き合いを避けられかねないことをしているわけです(あくまで個人の私見としてこれを書いています)。
もちろん、マルチ商法と違って、生命保険の場合は「まあそういう仕事だもんね」と一定の理解はしてもらえるかもしれません。
就職先自体も彼女の希望から遠かったわけで、それならせめて、大学時代のスポーツのように、もっと本業と遠い場所でリフレッシュできる居場所を見つけられたらよかったのに。
そうしたら、二重に周りから人がいなくなるようなことをする事態にはならず、あんなに死んだ目をしていなかったんじゃないかと、帰りの電車の中で哀しい気持ちにもなりました。
でも、あの上位会員はそれだけ疲弊した彼女に、ここがあなたの居場所だ、と思わせるのが上手かったのかもしれません。
その後のことですが、社会人になって金銭的余裕ができた時に、もしまだ興味があったら、とも言われましたが当然こちらからは連絡していません。
あの日は私自身は特に彼らの活動を否定もせず、ただ、私にはどんなに良い商品でもそれを買う原資を調達することが難しいという一点で断り続けたわけですが、
「自分たちの下位会員にはなり得ない」という一点がよく伝わったのか、その後彼女の方から連絡が来ることもありませんでした。
良い友人でいてほしい、とあの上位会員は言っていたけれど、元のバイト先での関係がそもそもそこまで濃いものでもなかったわけですし、そんなものなのでしょう。
彼女がその後どうしているのかはわかりません。
ただ、転職なり新たな居場所を見つけるなりして、死んだ魚の目から脱してくれていることを願うばかりです。
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今週のまとめ
初週なのと、思いの外長い記事になってしまったので今週はワントピックで。
連鎖販売取引(マルチ商法)と同じように、周りを巻き込みながら身を滅ぼしかねないカルト宗教についても法の下メスが入るようになるといいな、と思いました。
この記事を書いた人:藤代あかり(@akarifujishiro)