近年、日本の映画作品といえば小説や漫画など原作ありきのものがとかく作られ、公開されがち。
特に原作に対して思い入れがあるとついつい観てしまうのだけれど、どうしても「映画として面白いか」だけではその作品のことを判断できなくなってしまう、というのも、あるあるな悩みなのではないかと思います。
そんなことを改めて考えた作品として、今回は映画『XXXHOLiC』を紹介していきたいと思います。
映画『XXXHOLiC』概要
映画『XXXHOLiC』はCLAMPによる同名タイトルの漫画を原作とし、2022年に公開された日本の映画。
主人公は柴咲コウさん、神木隆之介さんが演じています。
あらすじは以下の通り。
ようこそ。
ここは、何でも願いが叶う【ミセ】。人の心の闇に寄り憑く“アヤカシ”が視える孤独な高校生・四月一日(わたぬき)。その能力を捨て普通の生活を送りたいと願う四月一日は、ある日、一羽の蝶に導かれ、不思議な【ミセ】にたどり着く。妖しく美しい女主人・侑子(ゆうこ)は、彼の願いを叶えるかわりに、“いちばん大切なもの”を差し出すよう囁く。同級生の百目鬼(どうめき)やひまわりと日々を過ごし“大切なもの”を探す四月一日に、“アヤカシ”を操る女郎蜘蛛らの魔の手が伸びる。世界を闇に堕とそうとする彼らとの戦いに、侑子や仲間たちと共に挑んだ四月一日の運命は――?!
引用元:ABOUT THE MOVIE – 映画『XXXHOLiC』公式サイト
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映画『XXXHOLiC』のレビュー・感想
最初に言っておくと、この映画は私にとってはいわゆる”not for me”であった、という点は強調しておきたい、ということを記しておきます。
というのも、私は原作漫画をリアルタイムで読んでいたファンであり、また同時にこの作品と世界観がかなり密接にリンクしている『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』のファンでもあるため、
『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』ナシに語られる『XXXHOLiC』が結局のところ受け入れられなかった
という立場にいる者だからです。これはもう、しょうがないと言わざるを得ないのではないか、と思っています。
この映画作品を原作と切り離して評価できないのは、原作ファンとしてのある種の業ではないか。
と、自分の受け取り方をわかっているからこその”not for me”という結論、と考えています。
なので、原作を知らずに本作を観ようという方にとっては全く参考にならないレビューもとい感想、とも言えるかもしれません。
以上を踏まえた上で言うならば、さすが蜷川実花監督作品というべきか、私自身の好みとして、やや原色に寄りすぎて目がチカチカするなという感はありつつ、全体的に映像が大変綺麗です。
これは蜷川実花さんの映像とCLAMP作品との相性の良さとも言えるかもしれませんし、本作主人公の侑子さんが和洋でいえば和寄りのお召し物が多いのでそことの相性の良さとも言えるかもしれません。
もし後者なら、同じく蜷川実花氏監督作品の、安野モヨコ氏原作『さくらん』の映画はバツグンに相性がいいはずなので、いずれ機会を作って観てみたいと思います(ちなみにこちらも原作は読んでいる)。
話を『XXXHOLiC』に戻しますが、主役をつとめた柴咲コウさんも神木隆之介さんもやはり俳優さんとして最高だなと感じましたし、玉城ティナさんは最高に可愛い。
松村北斗さんは、原作を考えるともっとコワモテっぽい人を選んでもよかったかなという思いもありつつ、これはこれでアリじゃない?という感想です。
そしてストーリーラインに関しては、『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』との関連付けを排除した上で約2時間という映画の持つ時間枠におさめることを考えると、
気をてらった演出や展開はない代わりに原作を完全無視することなく(映画オリジナルストーリーで原作を毀損するということもなく)、よくまとまっていたと言えるのではないかなと思っています。
『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』の存在を映画に持ち込まない以上こうなるよね、の一つの形としては受け入れられたかな、と言い換えることもできるでしょう。
『XXXHOLiC』ならびに『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』のそれぞれの原作を全く知らず、蜷川実花氏の作品を好むタイプの人であったなら、もっと純粋に楽しめたのかな、と感じるくらいです。
失礼すぎることは重々承知の上で申し上げると、蜷川実花氏が『XXXHOLiC』をモチーフに創ったPVと考えると最高!といいますか。
なので、この映画楽しめるんじゃない?と勧めるなら、やはり蜷川実花氏が好きで、『XXXHOLiC』ならびに『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』のそれぞれの原作を全く知らない層の方、とも言えるのかもしれません。
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映画『XXXHOLiC』まとめ
というわけで、映画『XXXHOLiC』を紹介してきました。
ちなみに映画『XXXHOLiC』ですが、Amazonプライム会員はプライム・ビデオで鑑賞することができます。
原作のリンクも貼っておきますので、もしよかったらこの機会にぜひ。
この記事を書いた人:藤代あかり(@akarifujishiro)