大事MANブラザーズというグループの『それが大事』という、1991年に発売された曲があるんですが、そのサビの部分にこんなフレーズがあります。
負けない事・投げ出さない事・逃げ出さない事・信じ抜く事
駄目になりそうな時 それが一番大事
本当に駄目になりそうな時は立ち向かわずに投げ出すことも逃げ出すことも良しとしていいと思うんですが、
勝てないまでも”負けない”でいる、という姿勢は大事なのかもしれないと、先日改めて思うきっかけを与えてくれた本と出会いました。
というわけで今回は『ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。』、略して『胃に穴』という本について紹介していきたいと思います。
『ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。』概要
著者のフミコ・フミオさん(@Delete_All)は、仕事上の鬱屈や夫婦生活、社会問題などあらゆるテーマで、独自のリズム感と文体を用いて日常をつづる、中高年を中心に絶大な人気を誇るブロガーの方。
はてなブログ上で『Everything you’ve ever Dreamed』というブログを運営しているほか、さまざまなWebメディアでも引っ張りだこな方でもあります。
そして本書は、そんなフミコ・フミオさん(@Delete_All)が満を持して送る、「普通の人が普通に生きていく上で感じる生きづらさの正体」に迫る一冊となっています。
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『ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。』のレビュー・感想
本書の「はじめに」の項には以下のような文言が書かれています。この本でフミコ・フミオさんが何を伝えたかったのか、というところですね。
本書には、僕が生きているうえで思わず「きっつー」とつぶやいてしまった日々の出来事や怨恨、そしてそれらをどのようにやり過ごしたのか、ほぼそのまま書いた。
(中略)
ただ、僕のようなごく普通の人間が感じたものであれば、スポーツ界のスーパースターや政財界の偉人の感じたものよりは、そのなかに多くの人々が感じている悩みやトラブルの共通項や平均値を見出せるはずだ。普通の人間が普通に生活しているうえで遭遇する悩みやトラブル。それをやり過ごしながら、どうにか生きていく姿。本書にあるのはそれだけだ。そこから、読んでくれた人たちがヒントを見つけて、それぞれの武器をこしらえて、これからの人生を、絶望することなく、なんとか乗り越えていってくれたら嬉しい。もちろん、ただ「バカだなー」って笑ってくれるだけでも構わない。僕のうだつの上がらない人生が誰かの失笑になるのなら、それはそれで僕の人生に価値があったということだから。
おそらくはスーパースターや政財界の偉人の方々であっても、人生のすべての局面で勝つことは無理でしょう。
ただ、普通に生きる普通の人間としての、”勝てないまでも負けないためにやり過ごす方法”というエッセンスが、
フミコ・フミオさんが職場や家庭、そのどちらにも属さない人間関係のエピソードを通じて散りばめられています。
年代性別も違えば、そもそも私は一度メンタルとそこに起因する身体の不調によって会社員の立場からはドロップアウトしているので、
こと仕事や職場に関するエピソードについては、わかるわかる、といえる部分は少ないです。
ただ、上記のような経験があるからこそ、常には勝てなくても、なるべく負けない、負けても大負けはしない、ということが、致命傷を負わないためには大事だということは、理解しているつもりです。
一度致命傷を負ってしまうと、立ち直るまでに相当な時間がかかるか、下手すると二度と立ち上がれなくなってしまうから。
戦い方や受け流し方、もちろんすべてはヒントにならなくても、本書を読んでいて、自分ならこうするかな、と考えるきっかけは得られると思うので、
特に今、なんとなくでも生きづらいな、ツライな、と感じている方にとっては、フミコ・フミオさんのファンの方も、これまであまり知らなかったよ、という方も、読んで損はない本だと感じました。
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『ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。』まとめ
というわけで、『ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。』を紹介してきました。
仕事に向き合う際の姿勢を書いている本、いわゆるビジネス書の類は特に、勝つための戦法やノウハウを記したものが多いと思います。
もちろんそうしたビジネス書は、読んだ人を奮い立たせ、モチベーションをあげる効果があるのかもしれません。
けれど、仕事だけではなくさまざまな場面で「緩急をつける」ということは大事だと思うのです。
頑張ることに疲れたなと感じた時、自分にさらに鞭打つのではなく、たまには「緩」を取り入れてみる。
本書はその大切さに気づき、取り入れてみる際に参考にするのにピッタリな1冊なのではないでしょうか。
この記事を書いた人:藤代あかり(@akari_fujishiro)