ドラマ『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』 片想いの連鎖が生み出すドラマ

テレビドラマ

突然ですが、あなたは片思いをしたことがあるでしょうか?

そんな恋をした時、あなたは自分から積極的に告白する方ですか?それとも、胸の内に想いを秘める方ですか?

今回は「永遠の片想い」がテーマとなっている、『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』というドラマについて、この記事では書いていこうと思います。

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ドラマ『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』概要

『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』基本情報

『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』は、2001年にTBS系で放送された日本のテレラバドラマ。

脚本は野島伸司さんで、主演は滝沢秀明さん。
その他、深田恭子さん・内山理名さん・窪塚洋介さん・石田ゆり子さんらが出演されています。

オープニングでは『チキチータ』、エンディングでは『S.O.S.』と、このドラマとのタイアップのために新たに発売された楽曲ではなく、1970年代にリリースされたABBAというグループの曲が使用されていたことを懐かしい気持ちと共に覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』を略して『S.O.S.』とも表記していましたが、これはエンディングテーマのタイトルと掛けたという側面のほか、

このドラマのテーマとして取り扱われている「少年少女たちが助けを求めるシグナル」という意味合いも持っています。

『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』あらすじ

高校3年生の入江まなと(いりえまなと/滝沢秀明さん)は、受験を目前に控えながらも、退屈な毎日を過ごしており、

また伊達メガネをかけることで「もう1人の自分」を演じるような、やや屈折した一面も持ち合わせていました。

そんな彼の前に現れたのが、三沢唯(みさわゆい/深田恭子さん)。

まなと自身、日常が退屈であると感じる理由が自分の中にあることは理解はしており、だからこそ「もう1人の自分を演じる」というある種の逃避行動に出ていたわけなのですが、

やがて本当の自分を取り戻すきっかけをくれた唯に対して、特別な感情を抱くようになります。

ただ、それと同時にまなとの父と唯の母が再婚。

また、まなとの幼なじみであり、彼への想いを秘めてきた沢村遥(さわむらはるか/内山理名さん)や、

唯がやがて惹かれていくまなと・遥の同級生である佐伯哲也(さえきてつや/窪塚洋介さん)と、

婚約者を失った寂しさから、教師と生徒でありながら関係を持ってしまう彼らの高校の教師・浅見真理子(あさみゆりこ/石田ゆり子)など、

“永遠の片思い”

という本作のメインテーマに沿って、それぞれの登場人物たちの一方通行で決して交わることのない想いが、このドラマでは毎回丁寧に綴られていきます。

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『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』のレビュー・感想

ショートケーキの上のいちご、先に食べるか?後で食べるか?

某打ち上げ花火の映画のタイトルみたいな書き方になってしまいましたが、この

「ショートケーキの上のイチゴ。このイチゴが大好物だとして、先に食べるか?後に食べるか?」

という問いは、本作のキーとなるワードとなってきます。

イチゴを好物と見立てることになんとなくピンとこない、という人は、他の食べ物で想像してみて欲しいんですが、

たとえばメインディッシュに大好物が出されていて、ご飯や副菜などを含めて全体を見渡した時に、どれから食べますか?

私の場合、好物は後に取っておく派なんですが、このドラマではその好物を食べる順番、というのが「恋愛への積極性」の比喩として使われているのです。

好物を先に食べる人はどちらかというと積極的。
好物を最後まで取っておく人はどちらかというと消極的。

もちろん、一概にそうだとは言えない部分も多々あるかとは思いますが、とはいえ、私の場合は概ね当てはまっているように思います。

さて、本作ではこの積極的か消極的か、というグループ分けは、前者が哲也と唯、後者がまなとと遥、という形で綺麗に男女半々で分けられています。

『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』はこの恋愛に対して積極的・非積極的な男女が最初は同タイプの人に魅かれながら、徐々に対照的なタイプ同士で収束していく、という、実にシンプルな構造だったりもするのですが、

それを視聴者を飽きさせずに連続ドラマ1クール分魅了させてくれるのが、さすがの野島伸司氏の手腕といったところでしょうか。

ちなみに、女性陣に関してはこのタイプの違いが赤と青、という色で視覚的にもわかりやすく表現されていて面白いです。

この辺りの考察は下記の記事がとても面白いのでよかったら読んでみてください。

最終回の哲也による卒業生代表の答辞は必見!

窪塚洋介さん演じる佐伯哲也は、担任の浅見真理子を愛するがあまり、2年留年している生徒なのですが、

そんな彼がこのドラマの最終回で卒業生代表として答辞を読むシーンはかなり迫力があります。

具体的な台詞は他のサイトなどに任せるとして、言っている内容は若さゆえというか、青い春らしいというか、そんな風に、今改めてみてみると気恥ずかしさを感じるような内容も含んでいます。

けれどそこには、哲也から真理子への最大限の愛、というかもはやこれはプロポーズなのでは、という意味合いが含まれていてですね。

ここまで毎週1話ずつ観てくると、最終回で哲也が清々しくこの答辞を言い切った姿に、なんだか泣きたくなるような気持ちになるのです。

そういえば、作中でピアノを弾くことが好きな哲也が度々弾く曲というのがありまして。

『T’s Waltz』

という千住明さんが書いた挿入曲なんですけれども、このメロディがまた切ないんですけどとても印象が強くてですね。

教師と生徒という、倫理的な面は一旦置いておきますが……

というより、こうして一旦は置いておけるほどあまりそうした内容への嫌悪感などを当時不思議と感じなかったな、ということをふと思い出しました。

彼の一世一代のプロポーズはふいにされ、結果彼は別の道を歩むわけですが、ある意味ではまなとや唯、遥以上にまっすぐでひたむきで、そんな哲也の姿には胸を打たれるものがあります。

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ドラマ『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』まとめ

というわけで、ドラマ『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』を紹介してきました。

ドラマのストーリー自体もですが、深田恭子さんのキュートさや、今はもうアイドルを引退してしまった滝沢秀明さんのまだあどけなさの残る姿など、

魅力がたくさん詰まっているドラマなので、機会があったらぜひ観てみてくださいね!

この記事を書いた人:藤代あかり(@akari_fujishiro)