朝型夜型は遺伝子で決まっている?〜夜型人間の未来についての考察〜

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突然ですが、どちらかに自身を分類するとしたら、あなたは自分のことを「朝型」だと思いますか?それとも「夜型」だと思いますか?

先日以下の記事を見かけて、興味深かったので読んでみまして。

「夜型」の人が努力しても、決して「朝型」になれない:研究結果

私は自分自身のことは根っからの「夜型」だと感じているのですが、合わせてこんな簡易診断を見つけたのでテストしてみたところ、ぐうの音も出ない結果が出てしまいました。


朝型夜型質問紙

今回は、研究結果の記事と「夜型人間」の私のこれまでと現在に触れつつ、もののけ姫の有名なセリフ、

「それでもいい。サンは森で、私はタタラ場で暮らそう。ともに生きよう。会いにいくよ」

といった世の中になったらいいなぁという願望を添えた、そんな記事に仕上がっています。

※なお、今回の記事は医学等の専門的な知識を持たない一個人の体験などに基づいた内容です。あらかじめご了承のほどお願いいたします。

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今回の朝型・夜型に関する研究結果をざっくり紹介

研究結果の詳細については、冒頭でも紹介したこちらの記事をご参照いただくとして。

「夜型」の人が努力しても、決して「朝型」になれない:研究結果

記事の内容に即して、今回の研究結果のポイントをまとめてみたいと思います。
(「わかりやすく要点を押さえる」という趣旨に基づいてまとめています。細かい部分に多少の齟齬があるかもしれませんが、ご了承いただけますと幸いです)

    朝型・夜型を分ける遺伝子の話・ポイント

  • 体内時計(人間の体の中で起きる睡眠・覚醒サイクル「概日リズム」)を制御する遺伝子がある
  • この遺伝子があることで、光などのさまざまな信号を検知して、体に「夜だ!眠ろう!」という信号を送るメカニズムが成り立っている。ちなみに、この遺伝子は、脳と網膜で活性化されている。
  • 朝型の人間と夜型の人間とでは、この遺伝子の働き方、メカニズムに違いがあることが今回の研究結果で判明した。
  • つまり、朝型か夜型かは遺伝子レベルで決まっており、それを意志などでコントロールすることは難しい。

個人的には記事後半の内容が特に興味深いな、と思ったので以下に引用させていただきます。
焦点は「夜型とメンタルヘルス」についてです。

人は遺伝的に朝型人間あるいは夜型人間になりやすく、そしてこのことが精神面における健康を害するリスクに影響していることは、ほぼ確実だと言う。
引用元:「夜型」の人が努力しても、決して「朝型」になれない:研究結果

超夜型人間の私が昼間の仕事を辞めるまで

「血圧の上の値がだいたい100以下」
「特に社会人になってから平熱が35度台に下がった」
「もともと貧血傾向にある」

朝目覚めるのが辛い人に多くみられる体質として挙げられる低血圧に、平熱の低さと貧血をさらに配合したのがこの私。

それでも、家族は皆どちらかといえば朝型であったため、実家暮らし時代は特に母の全面的な協力で何とかやっていけていたように思います。

一方で学生時代のアルバイトは夜勤ではないものの夕方〜閉店(終電より前)まででシフトを好んで組んでいたり、

社会人になってからも午後以降、夕方から調子が上がってくるなと感じる部分があったり、

なんとなく自分は朝型ではないなぁということは昔から感じてきたことではありました。

以前の記事でも少し触れている通り、私は約1年の休職期間を経たあとに一時復職はしたものの、結局昨年末をもって退職してしまっています。

休職に至るまでさまざまな要因はありましたが、そんなさまざまな理由を抱え込んだ末に体に影響が出てしまい、結果として

「夜に寝て朝に起きる生活リズムが維持できなくなってしまった」

という面が、一番直接的に退職につながったといってもいいでしょう。

夜型とメンタルヘルス、卵が先か鶏が先か

再度引用しますが、記事中にはこのような記載があります。

つまり、夜型か朝型かをコントロールする術を、わたしたちはもっていない。それが、この研究結果の興味深い点といえる。なぜなら、夜型の生活を送ることは、うつ病や統合失調症といったさまざまな精神疾患に広くかかわっているとされているからだ。昨年の報道によると、うつ病や双極性障害になる確率や孤独感にさいなまれる確率は、いずれも夜間に活動量が多いと報告した人たちに高い傾向が見られた。

とはいえ、これは「卵が先か、ニワトリが先か」という状況であるようにも思える。精神面における健康の問題が睡眠パターンを乱すのか、あるいは睡眠パターンが乱れることから精神面における健康の問題が生じるのか──。
引用元:「夜型」の人が努力しても、決して「朝型」になれない:研究結果

もちろん、必ずしもそうとは言い切れない部分もある。統合失調症などの病気の場合、この病気自体に遺伝的な要因もあるからだ。しかしながらジョーンズは、人は遺伝的に朝型人間あるいは夜型人間になりやすく、そしてこのことが精神面における健康を害するリスクに影響していることは、ほぼ確実だと言う。
引用元:「夜型」の人が努力しても、決して「朝型」になれない:研究結果

私の場合は、「おそらく元々が夜型の人間であったが、心身ともにバランスを崩した結果、朝型中心の生活リズムに適応できなくなった」と自分のことを見ていますが、

現代社会では朝9〜夕方5時まで、というスタイルが主流であることを考えると、

「もっている遺伝子が本来快適と思うライフスタイルを送ることができていない人は一定層いる」
「同等程度の体力、ストレス耐性を持つ人たちがいたとして、現代社会の中心的なライフスタイルに合わせて生活を続けていたら、夜型の人の方が何らかの不調に見舞われる確率・リスクが高まるのではないか」

という可能性について考えざるを得ない研究結果なのではないかと思うのです。

ちなみに現在の私は、いわゆる「日雇い型」の仕事に従事することで、限りなく夜型に近いライフスタイルを実現しています。

閑散期などどうしても仕事がないときは朝から出ることもありますが、

それでもおそらくきちんと心身のバランスが回復しきっていないのか朝からの勤務が連続すると、夕方には微熱が出るという状態であるため、

もし再度就職、という形を取るとしても、朝からの仕事には戻れないかもしれないなぁと考えています。

この辺りの話題については、いずれ別の機会に記事にしようと思います。

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朝型も夜型も、ともに生きよう

現状では仕事は夜型のライフスタイルに近しいものもなくはないですが、昼間と比べて選択肢はまだ少なく、

また、どうしても役所や銀行、飲食店や買い物に行くお店など、夜遅めの時間でも行ける場所は限られて来てしまいます。

とはいえ、そこに「昼間の方が活動しやすいのに」という人を無理に投じるのはナンセンス。

今後のさらなる研究の結果に期待したいところですが、もしかしたら将来、働き方改革のひとつとして

「遺伝的傾向に合わせたライフスタイルの確立のための労働時間の自由化」

が認められ、導入されるかもしれませんが、それでも

「それでもいい。サンは森で、私はタタラ場で暮らそう。ともに生きよう。会いにいくよ」

と冒頭でも書いた通り、技術の発展などにより、無人でも成立する業種・業態が増えることで、

朝型・夜型の人々双方が自分に合ったライフスタイルを築いていける世の中になったらいいなぁと、今回の記事を読んで、期待・希望を込めて願わずにはいられません。

この記事を書いた人:藤代あかり(@akari_fujishiro)